解剖実習体から作製した標本18肢と非接触型3Dスキャナを用い、踵腓靱帯(CFL)の緊張が腓骨筋腱をリフトアップするか否かを検討した。CFLの緊張を生じる肢位において、統計学的有意差(p < 0.001)を伴う腓骨筋腱の外側方向への移動が認められ、実際のリフトアップ量の平均値(範囲)は、長腓骨筋腱で2.0 ± 0.8 mm(0.8~3.5 mm)、短腓骨筋腱で1.9 ± 1.0 mm(0.5~3.8 mm)であった。また、CFL特有の形態のバリエーションとの相関は認められなかった。以上の結果より、CFLが腓骨筋腱のテンショナーとして長・短腓骨筋の収縮活動を補助している可能性が強く示唆される。
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