研究課題
本年度は、末梢神経節初代培養細胞および、レンチウイルスを用いて、Oxygen-Glucose Deprivation (OGD)刺激下における、軸索内ミトコンドリアの動態観察をタイムラプス法により、1時間毎に20分間、合計6時間の観察を行った。軸索内ミトコンドリア動態に関しては、現在、解析中であるが、輸送ミトコンドリアに関しては、OGD刺激による明らかな減少が観察されている。今後は、OGD刺激後どの程度の時間で輸送ミトコンドリア数の減少が観察されるのかを解析し、明らかにする。また、6時間後の末梢神経節初代培養細胞を免疫組織化学染色法により、軸索を染色し、形態学的に観察した。その結果、軸索の形態学的観察では軸索腫脹などは観察されなかった。現在までのところ、解析途中ではあるが、OGD刺激により軸索内輸送ミトコンドリア数の減少がみられること。6時間のOGD刺激では、免疫組織化学染色法による、軸索の形態学的観察においては軸索腫脹は観察されないことが明らかとなった。今後は、コロナの影響により、本年度の実験回数が予定よりも、少なかったので、引き続き、軸索内ミトコンドリアの動態をタイムラプス法により観察し、データ数を増やす。また、光学顕微鏡では軸索の腫脹などが観察されなかったため、電子顕微鏡を用いて、軸索の微小構造の観察を行うとともに、随時、学会発表などにより、研究成果のアウトプットを行う予定である。
3: やや遅れている
コロナの影響により大学への立ち入り規制などがあり、本年度予定していた実験の一部を行うことができなかった。よって、当初予定していたデータ数(n数)よりも、少ない状況である。データ自体は取得できているので、時間をかければ、予定数のデータを取得できるので、やや遅れていると評価した。
実験を継続し、データ数を予定の数まで取得する。また、電子顕微鏡を用いて、OGD刺激による軸索内ミトコンドリアの微小形態を観察する。
コロナの影響により、在宅業務を行ったり学会がオンラインになった関係で、当初の予定より実験数が少なくなり消耗品費に余剰が出たり、学会参加のための旅費が不要になった。そのため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、本来すべきであった実験の消耗品などに使用する予定である。
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