研究課題/領域番号 |
18K10683
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 倫之 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (90305566)
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研究分担者 |
馬渕 博行 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (50365508) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 活性酸素種 / HDL / LDL / 障がい者 / Fe-ROMs法 |
研究実績の概要 |
高密度リポタンパク質(HDL)や低密度リポタンパク質(LDL)は、活性酸素種(ROS)により攻撃をうけ、動脈硬化に悪影響を及ぼす。このROSは、様々なストレスで上昇するが、運動もその1つである。これは、運動療法の効果と矛盾をなすが、酸化HDLの運動に対する反応やその影響は、不明な点が多い。 われわれは、安価で短時間で多くの検体測定ができるFe-ROMs法を新しく開発した。このFe-ROMs法で測定した酸化HDLのデータより運動中、特に暑熱環境下で健常者および障がい者において酸化HDLがどう変動するかを解明することで酸化HDLの役割を解明することを目的としている。標準値作成は、3年を通して行っていくが、今年は吸光度測定は終了している脊髄損傷者12名(男性12名)のFe-ROMs法で酸化HDLを算出し、28.3±2.4mOD/minであった。 また、20歳代の標準値作成目的で、15名の男性、平均年齢20.7±1.2歳(19ー23歳)について酸化LDLおよび酸化HDLを測定した。酸化LDLは126.4±19.0U/Lであった。また、酸化HDLは、29.6±1.3mOD/minであった。詳細な検定による比較は行なっていないが、昨年酸化LDL、酸化HDLを測定した上記脊髄損傷の酸化LDLは、112.2±8.6U/Lで、被験者の平均年齢は22歳から64歳と幅があるものの43.6±4.0歳であることを考えると酸化LDL、酸化HDLとも健常の20代と脊髄損傷者では、明らかな差はないようである。 今後解析方法として、酸化LDL /LDLや酸化HDL /HDLなど実際のリポタンパク質の酸化比率で評価することが必要となってくる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
温熱負荷と浸透圧の影響を見るための脱水研究は、被験者16名の測定は終了しており、血液分析がまだ終了していない。現在コロナの影響で、分析が進まない状況にあり、スケジュールとしては、やや遅れが見られる。しかし、Fe-ROMs法は、安価でかつ短時間で測定できるため、今後一気に分析を進めることは可能である。 各年代の標準値では、20代は被験者測定はほぼ終了しているが、他の年代がまだ、測定だけでなく、採血終了している被験者も少ない状況である。 今後さらに被験者の採血を進めて行く。
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今後の研究の推進方策 |
現在終了していない脱水研究時の酸化HDL測定を行なって行く。 さらに標準値作成のため、30代~70代の被験者の採血を行なっていき、Fe-ROMs法による酸化HDL測定を進めて行く。
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次年度使用額が生じた理由 |
採血を行なった検体で、外注予定の項目があるが、先にFe-ROMs法での測定を終了させる必要性があるが、現在コロナの影響で、測定が進んでおらず、外注に検体を出すことができないため、残額がある。それを来年の外注測定に助成金を使用する予定である。
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