研究課題/領域番号 |
18K10684
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
沖田 学 高知工科大学, 地域連携機構, 客員研究員 (80816934)
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研究分担者 |
朴 啓彰 高知工科大学, 地域連携機構, 客員教授 (60333514)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高齢ドライバー / リハビリテーション / 軽度認知障害 / 健康運転寿命 |
研究実績の概要 |
私たちはMCIドライバーのための運転外来を開設し、運転能力の検査や運転リハビリテーションを実施している。認知機能分類による現役高齢運転者の特徴を説明するために、高齢運転者の運転関連能力と認知機能能力を分析して違いを明らかにすることと運転リハビリテーションの変化を分析することを目的とした。 高齢運転者外来を受診した67~91歳の現役高齢運転者を、認知機能別に分類した。 研究1:運転を継続できた群(Group-Con=30)と認知症のため運転を継続できなかった群(Group-No=25)を分析した。さらに、このグループから認知機能が高く運転を継続できた高認知機能グループ(Group-Ini=15)と運転免許を取り消された低認知機能グループ(Group-Re=12)を分析した。どちらの比較でも認知機能が高いグループの方が、多くの認知項目とドライビングシミュレータ(DS)で良好な結果を示した(P <0.05)。また、FABとDSの項目には全群で相関がみられた。 研究2:軽度認知障害(MCI)のドライバー(Group-MCI=12)のパフォーマンスを分析した。Group-MCIはGroup-Iniに比べ、認知機能項目とTMT-B、道路標識の見落としが少なかった(P<0.05)。Group-MCIはGroup-Reに比べ、認知機能が高く、DS操作、事故回避が高かった(P<0.05)。また、FABと交差点内の速度の間に相関が見られた。 研究3:運転リハ実施群(Reha-G =13)では前後比較で認知機能や記憶、注意機能が向上した(p<0.05)。しかし、DSでは有意差は認められなかった。また、認知機能の変化量とペダル操作と停止位置の項目に相関を認めた。認知機能が向上していたがDS操作は個人により特徴が異なっていた。加齢とともに低下する運転能力では、注意力と前頭葉の機能の低下に警戒しなければならない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ情勢のため病院内の受け入れ基準のため被験者が受け入れられていない。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ対策の方針が決まってきているので、それに応じて各関係場所での被験者等の受入を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ情勢のため被験者の受入体制に制限があるため予定の人件費が必要なかった。さらに、参加予定学会もコロナ情勢の関係で参加を控えたりweb開催となったため使用額が少なくなった。今後はオンライン化の環境設定と結果の論文化に向けて予算を使用する予定である。
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