研究課題/領域番号 |
18K10686
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
赤星 和人 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (20212409)
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研究分担者 |
新藤 恵一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (70338177)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 肩関節 / 脳卒中 / ブレイン・マシン・インターフェース / 事象関連電位 / 脳波 |
研究実績の概要 |
2018年5月9日、研究協力者である、慶應義塾大学生命情報学科の牛場潤一研究室と、湘南慶育病院で、研究プロトコールについてミーティングを行い、その後、研究体制の構築と倫理申請を行った。ところが、2019年3月末に、研究代表者および分担者が本務先とする、湘南慶育病院を退職し、それに伴い、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科も退職した。また、同時に、肩関節BMIシステムを、湘南慶育病院から、慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室へ引き上げることになった。その結果、湘南慶育病院では、研究データを得ることができなかった。 2019年度からは、研究代表者および分担者が所属する慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室で、体制の再構築を行った。介入に関するfeasibilityが実証された。必要な倫理申請、承認が完了し、研究保険への加入が行われ、2020年度のデータ取得の準備が整った。 2020年は慢性期脳卒中患者に対し、肩関節BMI訓練を、肩関節挙上の運動企図時の、①同側(非損傷)半球ERD、②対側(損傷)半球ERD、に基づいて1回ずつ実施し、BMI訓練における、両側運動野のERDの大きさや変化、および成功率を比較検討する。①対側半球ERD、②同側半球ERD、の2つの条件を比較することで、BMI訓練介入前の状態から、どちらの訓練方法が優れるかを確認する。これは、今後の中枢性運動麻痺の特に近位機能に対する治療戦略における基礎となる重要な情報を得ることになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2018年度は研究代表者および分担者が湘南慶育病院を退職したこと、また、肩関節BMIシステムを慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室へ引き上げたため、本研究を進めることができなかった。 2019年度は、慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室において研究施行に関する体制が整い、介入に関するfeasibilityが実証された。必要な倫理申請、承認が完了し、研究保険への加入が行われた。
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今後の研究の推進方策 |
【変更】肩関節BMIシステムを有する慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室で本研究を実施する(研究代表者および分担者は、同教室の非常勤講師である)。 【対象】重度運動麻痺を呈した脳卒中患者を対象とする。脳卒中患者の選定基準は、①当院外来へ通院可能、②発症後3ヶ月以上経過、③脳梗塞または脳出血、④発作回数は1回、もしくは2回以上発作があるが同じ半球内である、⑤片麻痺を有する、⑥20歳から80歳、⑦MRIの撮影が可能、⑧課題遂行に支障のある高次脳機能害を認めない、⑨頭蓋骨欠損を認めない、とし、文書で説明と同意を得る。 【方法】肩関節BMI訓練を、肩関節挙上の運動企図時の、①同側(非損傷)半球ERD、②対側(損傷)半球ERD、に基づいて1回ずつ実施する。評価指標は、①BMI訓練における、両側運動野のERDの大きさや変化、および成功率とする。 【期待される結果】①対側半球ERD、②同側半球ERD、の2つの条件を比較することで、BMI訓練介入前の状態から、どちらの訓練方法が優れるかを確認し、脳卒中患者の脳活動に合わせたBMIシステムを構築する基礎的な知見を得たい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を実施する場であった、湘南慶育病院を、2019年3月末に研究代表者および分担者が退職したため。また、MRI対応筋電図計測システムのデモンストレーションができず、購入をすることができなかったため。 2019年度、研究代表者および分担者が所属する、慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室で実施する体制が整ったため、2020年度に研究を実施するため予算を執行する。
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