本研究の目的は、従来のリハビリテーション医療で行われている筋力増強訓練や関節可動域訓練、起居動作訓練など身体機能に焦点を当てたリハビリテーションプログラムから、高齢者の活動・参加を促す事を目的とした新しいリハビリテーションプログラムを開発、普及することである。この研究は、高齢者の日常での活動パターンを客観的に把握し、活動低下をきたす因子を多角的にとらえるための研究(Phase1)、高齢者の活動・参加に対してマイナス因子を解消するための対策とリハビリテーションプログラムを開発する研究(Phase2)、作製したリハビリテーション・プログラムの有用性・有効性について検討する研究及び本プログラム普及(Phase3)の一連の研究課題から成り立っている。今回の研究期間内では、当初Phase2まで行う予定であった。2020年度は、Phase1でエントリーされた対象者60名に対して、①対象者の日常生活活動の調査、②メモリー加速度計装置付き万歩計・ライフコー ダーでの対象者の活動記録、③体力測定を定期的に行う予定であったが、COVID-19感染症の流行による緊急事態宣言・蔓延防止法の施行による不要不急の外出の 自粛の影響で期日を延期、時間を短縮し実施したが、対象者の中に中途辞退、実施不可能者が多く、また、再エントリーを募ったが実施まで至らず、調査 自体を打ち切り、得られたデータで解析をせざるを得なくなった。また、2021年度は、Phase1のデータ解析を行い一部の結果は学会にて報告した。2022年度は、残りのデータ解析を行い、学会で報告ができ、Phase2のプログラム作製メンバー会議を立ち上げ、プログラムの作製について検討した。2023年度には、ほぼプログラムは完成しており、2024年度以降、Phase3の実施に向けて、と普及に向けて小冊子化と効果実証研究に向けて計画中である。
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