研究実績の概要 |
1 一次培養マウスシュワン細胞(MSC)、Snai1導入シュワン細胞(Snai1-MSC)の分泌する組織再生関連成長因子の測定とそれに関連する遺伝子発現の検討:それぞれの培養上清を用いて、RayBio C-Series Mouse Growth Factor Array 3によって測定した。その結果、MSC, Snai1-MSCにおいてPDGF-AA IGF-BP3が分泌されていることが分かった。次いでPDGF, PDGF受容体、IGF-BP3遺伝子発現をRT-PCRによって検討した。その結果、MSC, Snai1-MSCともにPdgfa, Pdgfra, Pdgfb, Pdgfrb, Igfbp3すべてを発現していることが分かった。以上から、これらの細胞は、組織再生に中心的役割を果たすPDGF-AA, 骨・血管再生を促進するIGF-BP3を分泌するのみならず、PDGF系のautocrine作用により、自分自身を増殖させる作用がある可能性が示唆された。以上の結果は、これらのシュワン細胞系細胞がさまざまな組織再生の治療に応用できる可能性を示唆する。 2 シュワン細胞のGFP蛍光ラベル:移植実験に先立ち、MSCのGFP蛍光標識を行った。レンチウイルス(pLenti CMV GFP Hygro(654-4))を細胞に導入し、100%の細胞が蛍光顕微鏡で適度の蛍光を発することを確認した。なお、Snai1-MSC, pSLCのGFP標識はすでに終了している。 3 マウス皮膚損傷モデル:S100(シュワン細胞マーカー)、CD31(血管マーカー)、CPRG(感覚性軸索マーカー)の3種抗体(ab52642, Abcam; AF3628, R&D system; 1720-9007, BIO-RAD)を用いて、それぞれが皮膚のシュワン細胞、血管、軸索を特異的に染色することを確認した。
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