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2020 年度 実施状況報告書

失語症患者の自動車運転適性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K10698
研究機関産業医科大学

研究代表者

加藤 徳明  産業医科大学, 医学部, 講師 (50593365)

研究分担者 佐伯 覚  産業医科大学, 医学部, 教授 (20269070)
岡崎 哲也  産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (40352314) [辞退]
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード経頭蓋直流電気刺激 / 失語症 / 自動車運転 / 運転シミュレーター
研究実績の概要

今回、コロナ禍も重なりまだ症例数が少ないが、7名の失語症患者に経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を実施したので結果を示す。全員男性で、平均年齢は53.6±9.3歳、脳梗塞2名、脳出血5名であった。A群(左前頭葉、左側頭葉に同時陽極刺激),B群(左前頭葉、右頭頂葉に同時陽極刺激)の2群に無作為に割り付け、A群4名、B群3名であった。tDCS刺激は連続3日実施(1mA、20分間)、同時に言語訓練(40分)を実施した。評価項目はTMT,FAB,CATの下位検査、簡易自動車運転シミュレーターの注意配分検査、Hondaセーフティナビ(Honda)の運転操作課題、100語テスト、CADLを介入前後で測定した。
(1)7名全例で介入前後の評価値を比較(Wilcoxonの符号付順位検定)
Hondaの反応時間の標準偏差が介入前0.16±0.08, 介入後0.11±0.04(P<0.05)で、介入後に有意に反応のばらつきが減少した。また、100語テストは介入前73.9±34.7, 介入後78.3±31.2(p=0.051)と介入後に改善する傾向であった。他は有意差はなかった。
(2)A群、B群で評価値の差(介入後測定値-介入前測定値)を比較(Mann-Whitney検定)
全評価で有意差はなかったが、Hondaの左指標への反応時間の標準偏差はA群-0.05±0.05, B群0.06±0.08(p=0057)と、A群は刺激後に左指標へのばらつきが改善する傾向にあった。他は有意差はなかった。
考察:(1)の結果はtDCSによる効果かもしれない。特に100語テストの結果からは介入により言語機能が改善しやすい可能性がある。(2)の結果はむしろ、右半球を刺激したB群が改善しやすいと予想していた。今後は症例を増やし、統計学的に信頼性のある結果を示したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

とにかくコロナ禍の影響である。外来通院での介入を行っているが、当院では数カ月外来リハビリが停止する事態が生じた。対象者を見つけても、慢性期の患者が対象のため外来での通院を望まない患者も多かった。

今後の研究の推進方策

コロナ禍の影響は落ち着いてきたと考えれら、リクルートを継続する。自動車運転評価依頼の紹介は通常通り増えてきているので、その患者に研究参加の依頼をする。他の病院へも声をかけ、対象者がいれば研究参加の打診を行う。HPでも引き続き、研究参加を募集する。それでも、対象者が少ない場合は、研究期間の1年間の延長も考慮したい。
最終年度の非失語症者と失語症者の2群間での運転評価検査の比較、有効な検査の抽出は問題なく実施可能と考えている。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍のため、Web開催が多く中止となった学会もあり、旅費が大幅に残った。参加した学会も少なかった。研究の進み方も遅れており、国際学会での発表も見送った。介入研究も少なかったため、物品購入の必要もなかった。そのため、次年度使用額が生じた。
今年度は学会参加、発表をする予定である。結果がでれば、論文投稿も検討する。消耗品の破損や劣化に伴う出費にも使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 失語症および高次脳機能障害患者への経頭蓋直流電気刺激の効果に関する研究

    • URL

      http://www.uoeh-u.ac.jp/kouza/rihabiri/homepage/kenkyu_project.html

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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