研究課題/領域番号 |
18K10702
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
浅賀 忠義 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (60241387)
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研究分担者 |
長谷川 直哉 北海道大学, 保健科学研究院, 客員研究員 (90824665) [辞退]
武田 賢太 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 運動機能系障害研究部, 流動研究員 (50824827)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 聴覚フィードバック / 視覚フィードバック / パーキンソン病 / 運動学習 / 姿勢バランス / 足圧中心 |
研究実績の概要 |
本研究の一つ目の目的は,健常者を対象に,動的姿勢バランス能力において断続的な視覚と聴覚のフィードバック練習を用いた場合に、しかも感覚量を一致させた時に、どちらが学習効果に有効なのかを明らかにすることだった。その結果,感覚フィードバックのない保持テストにおいて,時間的誤差(コヒーレンス)および位置的誤差(COP位置)ともに聴覚フィードバック練習群で学習効果が認められた。一方,視覚フィードバック練習群には学習効果は認められなかった。断続的な聴覚フィードバックを用いた動的バランス練習は学習効果を強める有効な方法であることが示唆された。本研究成果は,Society for Neuroscience 2019, Chicago, USA. で学会発表し,現在は原著論文を作成中である。 さらに,パーキンソン病患者を対象とした足底への体性感覚入力による静的姿勢バランスへの短期学習効果について明らかにした。その結果,つま先挙上の傾斜刺激後の平面立位時において,足圧中心位置と安定性限界の前方位置が有意に拡大することが示された。一方,平面上で前方へ重心をシフトする練習においては,それらの効果は認められなかった。この研究成果は,Physiother Theory Practに掲載された。 また,高齢者を対象とした姿勢制御に関する研究成果が,BMC Geriatrics および Res Sports Med にアクセプトされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
聴覚フィードバックによる姿勢制御の学習効果に関して,健常若年者を対象に基礎的資料を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,臨床応用に向けて聴覚フィードバックを用いた練習方法のシステムを構築する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新規に実験システムを構築する予定であったが,希望するデータ収集に至っていない。そのため,実験システムを購入するための物品費は次年度使用の予定である。
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