研究実績の概要 |
健常若年者を対象に静的バランスにおける感覚バイオフィードバック練習の学習効果について解析し、動的バランスと同様に断続的なフィードバックの方が連続的なフィードバックに比べて学習効果が高いことが示され、現在は論文作成中である.また、遠近感に貢献する両眼視差と運動視差における静的バランスへの影響についての基礎的研究についてVRシステムを用いて実験を行い解析した結果、運動視差の方が両眼視差に比べて静的バランスに大きく貢献することが示され、その成果を報告した(Ishikawa et al., Sensor, 2023)。さらに、異なる難易度の認知負荷が予測的姿勢制御の適応効果に与える影響について、および、認知負荷による有効視野の狭窄が姿勢安定性に与える影響について日本基礎理学療法学会学術大会においてそれらの成果を報告した。さらに2023 ISPGR World Congresにおいても報告する予定である。 また、コロナ禍のために補助事業期間の延長となった高齢者および障害者を対象にした実験については、本年度もコロナ禍が継続していたため保健所および医療機関との連携を模索していたが、本年度末から徐々にデータ収集を開始することが可能となった。本事業は本年度で終了となるが、今後もデータ収集を継続して研究成果を報告する予定である。 リハビリテーション分野において、姿勢バランスに限らず運動制御の向上を目的とした練習方法は視覚情報に頼る感覚フィードバック練習がほとんどといっても過言ではないが、本研究の成果によって視覚情報に頼らない学習効果に優れた新たな練習方法を提案することが期待できる。
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