認知症を呈する神経変性疾患においては、言語症状のみが先行する原発性進行性失語症(PPA)が存在する。PPAはサブタイプに分かれるが、その中でも非流暢な発話を特徴とする進行性非流暢型失語症に着目し、発話の統語的特徴から脳血管疾患による失語症との違いを分析した。 結果として、進行性非流暢型失語症例の発話の統語的特徴として、文型の単純化、使用する動詞の狭小化、格助詞の出現数の減少を認めた。また、主命題数は健常者と同様に保持されることがわかった。今回の結果を踏まえさらに経時的変化を分析することで、発話症状の変化に応じた組織的な支援方法の開発につながると考える。
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