研究課題/領域番号 |
18K10721
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
竹田 里江 杏林大学, 保健学部, 教授 (10381279)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 前頭連合野 / 認知機能 / 光トポグラフィー / 動機づけ |
研究実績の概要 |
近年、認知リハビリテーションでは、日常生活への般化を促し、動機づけを高めながら実施することが重要であると言われている。そこで、我々は単に刺激を覚えるといった無機的課題ではなく、日常生活のシミュレーションを取り入れた前頭連合野機能向上のためのリハビリテーション(目的志向的遅延反応課題;以下,G-DR課題)を開発した。 G-DR課題は、「目的」に示す内容や選択肢、遅延時間、暗算の難易度を、個人の遂行能力に加え、興味・関心に合わせてテーラーメイドでき、対象者の内発的動機づけを高める等、前頭連合野の特徴を取り入れる工夫をしている。しかし、本特徴に応じた脳活動の検討は未実施であり、リハビリテーション等、介入研究の効果を検討するにはG-DR課題の特徴に応じた脳機能的背景を明らかにする必要がある。 そこで、本研究では、非侵襲的方法の一つである近赤外線分光法を用いてG-DR課題の特徴に応じた脳活動の部位、タイミング、強さを明らかにすることを目的とする。 これまでの研究にて、G-DR課題の作成や3次元位置測定システムの導入が完了したことから、本年度の具体的計画は、G-DR課題を光トポグラフィーにて安定した形で測定をできるように、細部を整えることである。本年度の成果として、G-DR課題の細部の構成が整い、また、光トポグラフィーの安定的計測環境を整えるところまで完了した。しかし、G-DR課題と光トポグラフィーとの同期にて困難さが明らかになった。そこで、次年度にこの点を解決し、測定を進めていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の具体的計画は、G-DR課題を光トポグラフィーにて安定的に測定できる形に細部を整えるであった。本年度の成果として、1)G-DR課題の細部が整い、2)光トポグラフィーの安定的計測環境が整ったため、おおむね順調に進展していると判断した。しかし、G-DR課題と光トポグラフィーとの同期に困難さがあり、次年度にてこの点を解決し、測定を進めていく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、G-DR課題と光トポグラフィーとの同期にて困難さがあった。次年度は、工学系の共同研究者に本研究へ参加してもらい、この点を共に解決していく予定である。また、測定を進め、G-DR課題の特徴に応じた脳活動の部位、タイミング、強さの相違を明らかにしていく必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
課題の修正、学会等への参加等で支出を予定していたが、課題の修正に関しては、工学系の共同研究者に次年度より本研究に参画してもらい問題点を解決することとしたので、次年度に経費を計上することとした。学会に関しては新型コロナウィルスの関係で参加が困難であった。次年度は新型コロナウィルスの影響を見極めながら、使用していく予定しである。
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