研究課題/領域番号 |
18K10733
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
佐伯 覚 産業医科大学, 医学部, 教授 (20269070)
|
研究分担者 |
松嶋 康之 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10412660)
伊藤 英明 産業医科大学, 医学部, 講師 (30609201)
白石 純一郎 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (20525430)
蜂須賀 明子 産業医科大学, 医学部, 助教 (90646936)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 非侵襲的大脳刺激 / ボツリヌス毒素療法 / 脳卒中 / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
脳卒中片麻痺上肢痙縮に対するボツリヌス療法(BoNTA)は、脳卒中治療ガイドライン2015では、推奨レベルグレードAとしてエビデンスが確立され、日常診療 で積極的に実施されている。しかし、効果持続期間が短く定期的な施注が必要であり、頻回の施注に伴う抗体産生のリスクや高額な薬剤費の問題がある。現在、 BoNTAに併用することで効果増強や効果持続延長が得られるリハビリ治療は同定されていない。そのため、本研究では、脳卒中患者を対象に経頭蓋直流電気刺激 (tDCS)治療群とSham(偽刺激)治療群の2群に振り分けた無作為化臨床試験を実施し、痙縮抑制効果増強および効果持続延長を治療条件の違いによって比較 し、本併用療法が上記効果に及ぼす影響を短期的および長期的に検討する。あわせて、運動機能回復に関与するバイオマーカーである脳由来神経栄養因子 (BDNF)血中濃度を測定し治療効果との関連を検討する。以上により、片麻痺上肢痙縮に対して、新しい本併用療法の効果を明らかとし、本法の臨床適用を確立 することを目指す。 当該年度においては、倫理審査でみとめらら研究計画に基づき、対象患者を無作為に2群(tDCS群とSham群)に割り付け、15セッションの治療介入を実施し、 上肢機能の変化(Fugl-Meyer Scale、MAS, 関節可動域、Box and Block test, Motor Activity Log, Wolf Motor Function Test, Functional Independence Measure)、血中BDNF濃度、BDNF遺伝子多型を測定し、追跡評価を行った
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画に沿って、リクルートされた対象者を無作為に2群に割り付け、15セッションの治療介入を実施し評価を実施継続した。新型コロナ感染症により、被験者を受け入れる本学大学病院でクラスター感染が発生、また、新型コロナ感染症患者の入院治療を受け入れたために、被験者のリクルートや入院治療などが実施できない状態に陥った
|
今後の研究の推進方策 |
BDNF遺伝子多型およびBDNF濃度則制定においては、測定値の信頼性の観点から一括測定が望ましく、全ての対象患者の介入治療後に実施することとし、最終年 度にまとめて実施する予定である。そのため、当該検査に係る人件費や検査費用については、最終年度に繰り超すこととした。 被験者のリクルートに関しては、入院前のPCR検査を徹底するなど受け入れ態勢を強化し、進めてゆく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は新型コロナ感染症の影響で被験者のリクルート、入院治療などの受け入れが困難となり十分な研究が実施できなかった。 BDNF遺伝子多型およびBDNF濃度則制定においては、測定値の信頼性の観点から一括測定が望ましく、全ての対象患者の介入治療後に実施することとし、最終年 度にまとめて実施する予定である。そのため、当該検査に係る人件費や検査費用については、最終年度に繰り超すこととした。
|