研究実績の概要 |
COPD 患者において6MWT やリハビリテーション中の運動時にSpO2 が低下して呼吸数が増加する症例を経験するが,日常生活レベルを評価する6MWT 中の呼吸数に関する研究は極めて少なく, 呼吸数と運動誘発性低酸素血症(exercise-induced desaturation:EID) との関連は明らかになっていない. そこで本研究の目的はCOPD 患者の6MWT 中のEIDの有無で呼吸数に差があるかを明らかにすることである. 本研究のデザインは多施設後ろ向き横断観察研究とした.対象はX市のA 病院 (急性期中核病院), Y市のB病院 (急性期総合病院), Z市のC 病院 (回復期と療養病院)の3 施設に外来受診した安定期COPD 患者とした. 包含基準は3 か月以内の急性増悪による入院歴やコントロール不良な心血管合併症がなく, 6MWT の禁忌項目に該当しないものとした. 本研究では、COPD患者の6MWT中の呼吸数はEIDの有無によって差はなかった. その要因として、1) 6MWT の特性による影響、2)呼吸数以外による分時換気量代償の影響、3)重症度や病態による影響が考えられた。 まとめとして,本研究では外来COPD 患者を対象に6MWT 中の呼吸数とEID の関連について後方視的に調査した. COPD 患者の6MWT 中の呼吸数はEIDの有無による差はないことが明らかとなった.
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