研究課題
3軸加速度センサ、3軸ジャイロセンサ内蔵フラッシュメモリレコーダ (MVP-FM8-AC, MicroStone) を使用し、健常成人6例に対して、MVP-FM8-ACを第7頚椎、第3腰椎部皮膚上に設置して、歩行時の計測を行った。また、同時に前述のVICONを用いた計測ならびに床反力を計測した。歩行時の体幹前傾角度と、第7頚椎、第3腰椎で計測された角速度は相関関係を認めた。この3軸ジャイロセンサ内臓フラッシュメモリレコーダは14時間分の加速度、角速度データを保存できるウェアラブルデバイスであり、日常生活動作の評価に使用できることが推測された。超小型6軸慣性センサ(MP-M6-06/2000C, MicroStone) を用いて、頚髄症における手指巧緻運動機能の評価を行った。健常者60人、頚髄症患者30人に 対して、超小型6軸慣性センサを示指、小指の爪に貼付し、手指の開閉運動を30秒間計測した。頚髄症の示指、小指の運動回数は若年健常者、頚髄症と年齢をマッチさせた健常高齢者、軽中等度頚髄症、重度頚髄症の順で低値であった。これは指伸展から屈曲への切り返しに関わるタイムラグが遅延していることが原因となっていた。タイムラグ遅延は屈曲より伸展への切り返しで顕著であった。また、指角速度ピーク値は若年健常者、頚髄症と年齢をマッチさせた健常高齢者との間に差はなく、軽中等度頚髄症、重度頚髄症の順で低値であった。これは錐体路障害によるものと考える。さらに、課題施行時の手指の動画を同時に撮影し、この治験をモーションキャプチャに応用できるかを検証したところ、頚髄症においては数回の開閉運動で異常を判定できる治験が得られた。今後症例数を増やして人工知能を用いた検証が期待できる治験と考える。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 5件)
PLOS ONE
巻: 16 ページ: -
10.1371/journal.pone.0258808