研究課題
基盤研究(C)
本研究では手関節の関節制限モデルを用いて,食事動作における手関節の関節可動域制限が,他の上肢関節にどのように影響するのか,また最低限必要な関節可動域について確認した.その結果,手関節制限時の最低限必要な関節可動範囲について確認ででき、機能回復の目安を示すことができた。また、前腕・手関節の制限により肩甲骨に与える影響についても調査し、その影響は大きく、関節可動域運動等の介入時に肩関節などの上肢に加えて肩甲骨への介入を行うことが重要であることが明らかとなった。
作業療法学
上肢骨折等の整形疾患により、上肢に関節可動域制限が生じることがある。一つの関節に関節可動域制限が生じた場合、肩関節・肘関節・前腕・手関節がそれぞれ相互に関連するため代償動作が生じることが予想される。上肢の関節可動域制限により代償動作が生じることで、食事動作などのADLに影響を及ぼす可能性がある。今回の結果を踏まえて、手関節や前腕骨折等により関節可動域に制限された場合にリハビリテーションにおいてどの程度関節可動域の向上が必要か、目標設定の目安となる。