研究課題/領域番号 |
18K10752
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
中川 周士 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30643382)
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研究分担者 |
新井 祐志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50347449)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 関節リウマチ |
研究実績の概要 |
関節リウマチ(rheumatoid arthritis; RA)に対する薬物治療はパラダイムシフトを迎え関節炎の寛解が得られるようになったが、依然としてサルコペニアの罹患 率が高くRA患者のADL障害の大きな要因と なっている。運動療法はサルコペニアに対する有効なリハビリテーション医療であるが、RA患者に 対して十分なト レーニングを行うことは難しい。しかし関節リウマチ患者への適切な運動療法の方法については明らかにされていない。 動物関節炎モデルを用いて運動療法が関節破壊に与える影響について検討した。8週齢のDAラットにおける関節炎(CIA)モデルを用いた。コラーゲンによる関 節炎惹起して2週経過してから、1日30分、週5回のトレッドミルを用いた強制走行を4週間を行った。足関節の関節破壊についてヘマトキシリンエオジン染色およ びサフラニンO染色を用いて組織学的に検討した。トレッドミル走行を行わなかった群での足関節は炎症性細胞の浸潤、滑膜増生が著明であった。一方、トレッ ドミル走行を行った群では前者に比べて関節炎および関節破壊が軽度であった。関節破壊に関する組織学的スコアを用いて検討したところCIAモデルにトレッド ミル走行を行った群ではCIAモデルのみの群に比べて有意に関節破壊が軽度であった。このことから関節炎を生じている動物モデルにおいても適切な運動療法を おこなうことで関節破壊を抑制できる可能性があると考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関節炎モデルに対して運動療法のみならず低酸素誘導因子の発現を調節することによっても関節炎に対する治療効果が得られる可能性を見出したため。
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今後の研究の推進方策 |
関節炎モデルに対する低酸素誘導因子の役割について解析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画よりも若干円滑に実験計画を遂行することが可能であったため次年度使用額が発生した。翌年度には低酸素誘導因子に関する生化学的および組織学的検討を 行っていく費用に使用する予定である。
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