研究課題/領域番号 |
18K10762
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
小林 正利 日本体育大学, 体育学部, 教授 (30320154)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | FIB/SEM / 筋損傷 / 線維芽細胞 / マクロファージ / 白血球 |
研究実績の概要 |
骨格筋の損傷・修復過程において筋組織間質に集積する細胞と、これらの細胞同士の相互関係について、微細3次元構造と組織構築を明らかにすることを目的として、実験動物の腓腹筋を挫滅した資料を用い経時的変化をFIB/SEM(Quanta 3D FEG, FEI)をもちいたデータ取得および3D画像解析を引き続きおこなって来た。 この結果、筋損傷1日後から7日後までFIB/SEM観察の結果、損傷筋の筋間質に、①長い突起を有する線維芽細胞様の細胞、②分葉核および細胞内に顆粒を有する白血球様の細胞、③指状突起を有するマクロファージ様の3種の細胞が存在する事を確認した。 これらの3種の細胞は損傷1日後から3日迄は筋線維内に入り込む像が確認できたが、4日目の筋管形成以降は筋線維内への侵入像は非常に少なく、5日目以降侵入は認められないが、7日後まで筋線維間質に存在し、相互に接触していることを確認した。また、細胞相互接触については、損傷後1日~7日を通して観察された。これらことから細胞が初期では再生筋線維の破壊に関係し、筋線維の修復・再生課程にも重要な役割を演じている可能性があり、細胞間の接触が重要な鍵になっている可能性が示唆された。 ここまでの3次元微細形態観察・解析の結果かから、これらの細胞性ネットワークは筋修復過程で偶然接触したものではない可能性が考えられ、サイトカイン等の液性制御だけでなく間質細胞相互のダイレクトコンタクトによる制御をうける可能性が予想され、引き続き検討を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の予定より、FIB/SEM像の解析に時間がかかっている。 また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により学内への入構が制限され研究に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、FIB/SEM像の解析を続けていくとともに、学内入構の制限が解かれた際には、免疫組織化学的検討を更にすすめ、細胞相互接触の役割について更に検討を深めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
FIB/SEM像の解析に予想以上に時間がかかり、当初予定した計画から遅れが生じている。 今後は遅れを取り戻すため、引き続きFIB/SEM像解析のスピードアップをはかりながら、当初予定していた免疫組織化学的手法を用いた細胞種検討の実験を行うため、実験動物および試薬、備品の購入を予定しているとともに、研究連携者と進捗状況について打ち合わせを行うための旅費等を支出する予定である。
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