研究課題/領域番号 |
18K10767
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
小野 圭昭 大阪歯科大学, 歯学部附属病院, 教授 (60221165)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 嚥下機構 / 口腔内感覚 / 咀嚼嚥下 |
研究実績の概要 |
命令嚥下は本人の意思により嚥下は開始されるが,通常の咀嚼嚥下は,随意的な要素は命令嚥下に比べ減少し,半自動的な咀嚼中に食物が十分に処理された時に嚥下が起こる.我々が以前行った実験により嚥下の口腔期前に,嚥下動作が開始されていることから口腔感覚が咀嚼嚥下の誘発に関与しているとの仮説を立てた.本実験は,その仮説を検証するために,口腔感覚を麻痺させて咀嚼嚥下させ,その時の嚥下動態を計測して,健常時と比較検討することによって,仮説を検証することを目的としている.さらに,仮説が立証できれば,麻痺部位を限定する実験に移行して,咀嚼嚥下が誘発される部位を特定する計画を立てている.そのため,実験計画では,被検者を健常有歯顎者とした上で,経口表面麻酔剤ならびに局所麻酔剤を用いて口腔感覚を麻痺させ,コンビーフを自由に咀嚼嚥下させた時の嚥下動態を計測する予定である. 実験に関し,2018年4月に大学の倫理委員会に本計画を申請し承認を求めた.しかし,委員会において口腔外科抜歯時には患者に麻酔が覚めてから食事をする様に指導していることから,口腔感覚を麻痺させて咀嚼させるのは危険であるとの指摘を受けた.そこで,嚥下において水嚥下が最も困難であり,抜歯時に食品摂取を控えるとの指導はするが,飲水は禁止していないことを指摘し,かつ咬頬ならびに咬舌に関しては,十分に注意することと,発生時の対策を提示した.以後,5回,倫理委員会で協議した. その結果,口腔全体を麻痺させずに,半側のみを麻痺させて行うとの実験計画を変更し,2019年2月に承認を得た. 許可番号:大歯医倫 第111027号 現在,文献検索を行うとともに,被検者を選定し,計測機器の準備を行い,実験開始した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
倫理委員会の承認を得るのに,時間を要したため.
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今後の研究の推進方策 |
被験者を集めて,実際に実験を行い始めている. 実験にて得られたデータを分析する. 実験計画が当初と変更になったため,その影響について,現在文献等検索を行い検討を行っている.
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次年度使用額が生じた理由 |
倫理委員会の承認が遅れたため,実験が開始する事が遅延したため. まず,密度が均一で咀嚼による物性の変化が少ないコンビーフ16gにて実験を行い,結果を分析後,被験食品の量の影響について検討を行い,さらに食品性状を変化させて実験を行う予定である.
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