研究実績の概要 |
初年度は介入群のみを対象にパイロット研究を行い、ピアサポーター養成プログラムの内容を確立した。先行研究(当事者研究, 2001; Wellness Recovery Action Plan: WRAP元気回復行動プラン, 2002; Corrigan et al, 2012; Repper, 2012; 相川, 2013; 精神障がい者ピアサポート専門員養成のためのテキストガイド第3版, 2015)を参考にプログラム案を作成し試行した。本プログラムの目的は、認知(自動思考)の修正(セルフスティグマの軽減)と、それに伴う気分・感情の改善、そしてより適切な対処行動(ピアサポート)の獲得によるリカバリーの推進である。初回のセッションでは、プログラム全体のオリエンテーションをするとともに、各参加者の困っている問題や場面について聞き取り、本プログラムを通して改善が期待できる目標について話し合う。プログラムは、毎回ワークシートを配布し、それに沿って進める。リーダー(スタッフ)は、実施者用マニュアルに基づきプログラムを実施する。2年目は、精神科外来通院中で、本研究の目的及び方法を説明し同意が得られた精神障害(DSM-5)を有する人を対象に確立したピアサポーター養成プログラムを実施した。最終的に蓄積されたデータをもとに、ピアサポーター養成プログラムが精神障害者のリカバリー及びQOLに及ぼす影響について多変量解析を実施し、より効果的なピアサポーター養成プログラムを確立する。
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