研究課題/領域番号 |
18K10781
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森本 陽介 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (40534409)
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研究分担者 |
花田 匡利 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (00596869)
矢野 雄大 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (10771389)
関野 元裕 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (40380927)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ICU-AW / BCAA / 大腿四頭筋筋厚 |
研究実績の概要 |
2018年度は本研究体制の整備を行うとともに,治療戦略を実施したCase reportを論文投稿し掲載された(Clin Case Rep. 2018 6(7):1214-1218. doi: 10.1002/ccr3.1576.).研究体制の整備はICU入室患者に対して覚醒時にMedical Research Council sum score による筋力評価を実施し,本研究の対象となるICU-acquired weakness (ICU-AW) に該当する患者を選定できる環境を整えた.また,介入方法の栄養療法であるBCAA(Branched Chain Amino Acid 分岐鎖アミノ酸)についても調査を行い,使用する製品を限定した.一方,近年の骨格筋に対する栄養療法としてHMB(β-Hydroxy-β-MethylButyrate)の効果が報告されるようになり,本研究で用いる栄養療法のサプリメントについて現在慎重に検討している. 論文の内容はICU-AWを呈した症例に対してBCAAを投与し,超音波画像診断装置を用いた大腿四頭筋筋厚の計測結果が改善した症例の提示である.症例は50代女性,急性肺血栓塞栓症を発症後に血栓除去術を施行され,術後にICU-AWを呈し,術後10日で大腿四頭筋筋厚は35.9%も減少したが,BCAA投与を開始し,術後58日で術前レベルの大腿四頭筋筋厚まで回復した.この結果に加えて握力や膝伸展筋力,6分間歩行距離など複数の身体機能評価を合わせて提示し,BCAA投与の有効性について検討した.これは,本研究の仮説であるBCAAの投与がICU-AWを呈した患者の骨格筋萎縮を改善することを示した初めての論文である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度はRCTでの研究開始を準備する段階であった。研究体制は整備され、現在倫理委員会で承認をいただく準備を行っている。合わせてUMINへの登録も準備しており、2019年度には研究を開始できる見通しである。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度よりデータ収集を開始し、約1年程度で予定症例に到達する見込みである。2020年度よりデータ解析を開始し、学会発表や論文作成を開始する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画当初は2018年度に栄養療法として使用するBCAA製品を決定するために、多くの種類のサプリメントを購入する予定であったが,BCAA以外の新たな栄養療法としてHMBの効果が報告され始めたため、サプリメントの購入を一旦中断し、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は当該年度に購入しなかったサプリメントの購入に使用予定である。
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