研究課題/領域番号 |
18K10781
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
森本 陽介 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 准教授 (40534409)
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研究分担者 |
花田 匡利 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (00596869)
矢野 雄大 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (10771389)
関野 元裕 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (40380927)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ICU / 鎮静 |
研究実績の概要 |
当該年度はCOVID-19の影響で、研究実施施設を確保できなかった。そのため、研究の対象となるICU入室患者についての後ろ向き研究を実施した。本研究で対象とするICU入室の重症患者を早期に選出することを目的とし、鎮静期間の遷延を予測する因子の検討と、鎮静期間遷延と早期離床の進行、および退院時の全身状態やADLとの関連を調査した。対象は2016年4月から2017年3月までに長崎大学病院closed-ICUに48時間以上在室し、理学療法を実施,生存退院した18歳以上の患者とした。除外基準は入室前歩行困難者やECMOおよびIABP使用者などとした.深鎮静期間は鎮静薬が投与され、Richmond agitation-sedation scale(RASS)-2未満の日数と定義した.統計解析はJMPpro13を使用し,深鎮静期間を目的変数とした単および重回帰分析を行い,サブ解析としてROC曲線を用いてカットオフ値を算出、鎮静期間と離床開始日の相関、鎮静期間3日未満と以上の2群間で退院時のperformance statusとKatz ADLを比較した。有意水準は5%未満とした。その結果、対象期間にICUに入室した462例のうち、選択基準を満たし、除外基準に該当しない138例が解析対象となった。鎮静期間をアウトカムとした重回帰分析ではSOFAスコア(β=0.14, p=0.04),非手術(β=0.94, p<0.01)が有意な因子として抽出された.鎮静期間3日以上を陽性としたROC曲線ではSOFAスコア10点がカットオフ値であった。また,鎮静期間と離床開始日の間に有意な正の相関関係を認め、鎮静期間3日以上の群は退院時のperformance statusとKatz ADLが有意に低下していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度は研究代表者の勤務地異動(九州から関西)と業務内容の変更(臨床から教員)に伴い、新規に研究実施施設を確保する予定であったが、COVID-19の影響で新規に施設を確保することに困難を極め、計画していた研究内容を実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
非常勤で勤務を開始見込みである施設があり、本研究を実施することに内諾を得ている。当該施設には研究代表者が副指導教員を勤める大学院生も勤務しており、研究協力体制も構築できている。そのため、勤務開始とともに倫理委員会への申請を行い、当初予定していた研究計画に基づいて、研究を開始できる見込みである。
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次年度使用額が生じた理由 |
該当年度はCOVID-19の影響で研究が実施できなかったため。
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