研究課題/領域番号 |
18K10781
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
森本 陽介 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 准教授 (40534409)
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研究分担者 |
花田 匡利 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (00596869)
矢野 雄大 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (10771389)
関野 元裕 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (40380927)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ICU-AW / BCAA / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
本研究における当初の目的は、重症患者の四肢の筋力低下や筋萎縮であるICU獲得性筋力低下(ICU-acquired weakness; ICU-AW)に対して分岐鎖アミノ酸(branched-chain amino acids; BCAA)を投与するランダム化比較試験を行い,ICU-AWに対する運動療法とBCAA投与の併用効果を検討し,有効な治療戦略を確立することであった.しかしながら、これまで報告してきた通り、研究代表者の異動やCOVID-19感染拡大により、当初の研究計画通りに研究を実施することが困難となった。当初の研究計画にあるICU-AWという対象患者の選定は、ICUを有する急性期病院での情報収集が必須であるため、研究対象者について修正することとした。本来はICUでの筋力低下を評価してICU-AWの有無を判断するが、現在勤務する回復期リハビリテーション病棟入院時の筋力低下を評価し、ICU-AWに該当するような筋力低下をきたしている患者を対象とすることで、当初予定していた対象者と類似した患者をリクルートし、急性期病院の協力がなくとも、介入研究を遂行できると判断し、現在研究計画の変更を実施した。 Case studyとして、変更した研究計画に沿って対象者を選定し、1ヶ月間BCAAを投与し、アウトカムである大腿四頭筋筋厚や骨格筋指数、6分間歩行距離はBCAA投与前後で測定したところ、BCAA投与後に全てのアウトカムで改善を認めた。大腿四頭筋筋厚においてはBCAA投与前と比較して約58%もの改善を認めた。その他の実績として、本研究の背景にあるICU入室患者の重症患者に着目した研究成果を国際誌へ投稿し、現在査読中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
これまで報告してきた通り、研究代表者の異動やCOVID-19感染拡大により、当初の研究計画通りに研究を実施することが困難となった。具体的には、研究代表者はICUを有する急性期病院に以前は勤めていたが、異動によって病院勤務から外れたことで、研究対象者の選定ができなくなった。2021年度からは回復期リハビリテーション病棟を有する施設で非常勤勤務を開始したため、この施設と連携するICUを有する急性期病院と協力して当初の研究計画を進められないか検討したが、当該の急性期病院はCOVID-19治療を先導しており、当初の研究計画通りに実施することは困難であった。 上記の理由で当初の研究計画よりも進捗状況は遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
現在は研究対象者の選定方法を見直し、現状で実施できる方法へ変更した。また、研究実施施設での各スタッフとの研究体制を整備するとともに、研究期間内に完遂することを目的に単施設研究から多施設研究への変更を視野に、複数の施設へ打診中である。研究施設が決定次第、倫理委員会の承認とUMINの登録を完了させ、研究実施予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ランダム化比較試験の実施に至らず、BCAA購入費用を執行しなかったため、次年度使用額が生じた。
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