研究課題/領域番号 |
18K10782
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
吉田 輝 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (40347109)
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研究分担者 |
大渡 昭彦 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (30295282)
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30325782)
原田 雄大 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (30755228)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | マイクロダイアリシス / 神経因性膀胱 / 脳梗塞 |
研究実績の概要 |
本研究は、排尿制御に関わる大脳の領域である前部帯状回や前頭前野皮質、中脳水道周囲灰白質などにおけるセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン、アセチルコリンなどの神経伝達物質の排尿に関連した動的変化をマイクロダイアリシス法により明らかにすることで脳内における排尿制御機構を神経伝達物質の動態の変化から明らかにするとともに、脳梗塞モデルラットと正常ラットでの比較を行うことで、脳梗塞による神経因性膀胱の病態を神経伝達物質の動態という側面から明らかにすることを目的としている。 本年度は、Wister系雄ラットを用いて、小動物排尿機能検査装置を用いた排尿機能の評価を正常ラットと脳梗塞ラットを用いて行った。ラットを代謝ケージに入れ12時間ごとの明暗サイクル、室温24℃の環境下で48時間の自由行動下での排尿行動(排尿時刻、排尿量)および飲水回数を調べた。正常ラット(平均体重223 g)の平均排尿回数は、暗時間帯13回、明時間帯8.5回で暗時間帯の排尿回数が有意に多く、飲水回数も暗時間帯が有意に多かった。また1回排尿量は、暗時間帯0.6 ± 0.2 ml、明時間帯 0.7 ± 0.2 mlで有意差は認めなかった。また、脳梗塞モデルとして、イソフルレン吸入麻酔下にラットを定位脳固定装置に固定し、ブレグマから2mm前方に560nmの緑色光線を20分間照射しながら光感受性色素ローズベンガルを静注することで脳梗塞を作製し、作製後3日後、7日後、14日後の排尿行動を正常ラットと同様の方法で小動物排尿機能検査装置を用いて調べる実験を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は小動物排尿機能検査装置の接続機器の破損が発生しその機材の調達に時間を要したことと臨床業務に要する時間が多く実験時間の確保が難しかったことが理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
課題である実験時間の確保に関しては、分担研究者とより効率的な実験業務の分担を進めるとともに、新たに1名の大学院生の協力を得ることにより、実験のスピードを上げていくことが可能になると思われる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は試薬の購入に多くの経費を必要としなかったため次年度使用額が生じた。来年度は、マイクロダイアリシス法での実験が増えるためその消耗品の購入費や動物の購入費・飼育費として本年度使用しなかった研究費を使用する予定である。
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