研究課題/領域番号 |
18K10788
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
藤井 澄 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (60284189)
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研究分担者 |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
羅 奕 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (30633797)
川原 勲 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (80524975)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | がん悪液質 / がん性サルコペニア / サイトカイン / TNF-α / HMGB1 |
研究実績の概要 |
昨年度実施した動物実験の結果を踏まえ、本年度は結腸直腸癌死後の患者の骨格筋とバイオマーカーを分析することにより、悪液質における骨格筋萎縮のパラメーターを同定するした。本研究では、臨床的な悪液質のマーカーである、体重減少、ボディマスインデックス、骨格筋指数(SMI)、腫瘍量の指標として血清CEA、悪液質関連サイトカインとして血清TNF-α、血清IL-6、血清HMGB-1、および、骨格筋成熟度のマーカーである腰筋のSDS可溶性ミオシン軽鎖1(SDS-MYL1)について、結腸直腸癌(CRC)により死亡した8例の剖検例で検討を行った。この結果、SMIとMYL1、HMGB1、およびTNF-αの間に有意な正の相関が認められた。 MYL1とTNF-α、MYL1とHMGB1、SMIとTNF-αの間には有意な負の相関が確認された。さらに、TNF-αの増加もマウス悪液質モデルで確認され、これはSDS-MYL1の減少と関連していた。これらの結果は、TNF-αがHMGB1などと相関してがん性悪液質における骨格筋萎縮の関連バイオマーカーとなることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度・本年度で動物実験およびヒト悪液質症例を用いて炎症性サイトカインの悪液質マーカーとしての有用性を示すことが出来た。研究の進捗は順調と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
サイトカインは交絡因子も多く、より悪液質特異性の高いマーカーが望まれる。そのため、これまでの実験に用いた血清等から新規のマーカーについて検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響で、昨年度末に予定していた実験が実施できなくなった。次年度使用額については、予定していた実験を準備中でありこれに使用する。
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