研究課題
近年、中鎖脂肪酸(MCFA)は、高カロリーにおいても、生体内の代謝が速く体内蓄積も無いことから、サルコペニアの栄養介入において注目されているが、HMGB1に対する作用は明らかではない。また、MCFAの骨格筋における直接的効果を検証した報告も見られない。本年度はBALB/cマウスを用い2%、5%、10%の濃度別ラウリン酸(LAA)食が骨格筋に及ぼす影響を検証した。体重と骨格筋重量は5%群、10%群で対照群と比較し減少した。2%群にて酸化ストレスの減少、ミトコンドリア量の増加が確認され、10%群にてミトコンドリア量、SDS可溶性ミオシン軽鎖の減少が確認された。次に、マウス骨格筋細胞株であるC2C12筋芽細胞と分化誘導した筋管細胞を用い、対照群、LAA処理群の48時間培養での増殖能とミトコンドリア量を検証した。筋芽細胞の増殖能は対照群と比較しLAA低濃度群で増加、LAA高濃度群で低下し、ミトコンドリア量はLAA低濃度群で増加、LAA高濃度群では低下した。筋管細胞はLAA高濃度群でミトコンドリア量が低下した。また、LAAと同時にHMGB1を投与しC2C12筋芽細胞の成熟度を検討すると、LAA処理によりオートファジーは抑制されSDS可溶性ミオシン軽鎖の減少も認められなかった。これらの知見から、至適濃度におけるMCFAはミトコンドリアを活性化し、HMGB1感受性を低下し、骨格筋萎縮を抑制した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (5件)
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