研究課題/領域番号 |
18K10793
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
山口 眞紀 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (30271315)
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研究分担者 |
竹森 重 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20179675)
山内 秀樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60220224)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | サテライト細胞 / 外眼筋 / 移植 |
研究実績の概要 |
1)外眼筋抽出液中に含まれるサテライト細胞増殖因子の探索;①外眼筋抽出液の作成;野生型C57B6マウス外眼筋および比較のための下肢筋を摘出し、ホモジェナイズ後に遠心分離し、上清分画を採取してタンパク濃度を測定の後に適切な濃度に希釈して凍結保存した。②マウス骨格筋組織(体幹筋および外眼筋)からのサテライト細胞の単離・培養;野生型C57B6マウスの外眼筋、および下肢筋を摘出し、蛋白分解酵素を加えて37度で2時間処理した後に遠心して上清を取り除き細胞分画を培養用ディッシュに播種し培養器中で一晩おき接着性の高い線維芽細胞をディッシュに吸着させた。翌日上清を採取して細胞数を計測後、iMATRIXをコートしたディッシュで培養した。③調整した外眼筋抽出液を添加した際の培養サテライト細胞の増殖活性の評価;外眼筋抽出液を添加した場合は、培養6日目のディッシュ中の細胞数が添加しない場合の1.5倍に増加していた。この効果は、下肢筋から単離したサテライト細胞に対しても外眼筋から単離したサテライト細胞に対しても同様だった。比較のための下肢筋から作成した抽出液を添加した場合は、外眼筋で見られたような大きな増殖効果は見られなかった。これより、外眼筋抽出液には、外眼筋のみならず他の骨格筋の増殖をも促進する因子が含まれていることが示唆された。 2)eGFPマウスから単離したサテライト細胞を異なる部位の骨格筋に移植した際の生体内筋管生成過程の観察:①CAG-eGFPマウスより1)と同様な方法でサテライト細胞を単離した。単離したサテライト細胞を数日間増殖させた後に野生型C56B6マウスの前脛骨筋に移植した。②移植されたマウス骨格筋内のeGFP陽性細胞の検出;移植翌日から一か月の間に前脛骨筋を摘出し、eGFP陽性筋管細胞を蛍光顕微鏡により観察した。eGFP陽性筋管細胞は緑色蛍光を示す細胞として観察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
eGFPマウスから単離したサテライト細胞を移植した際の生体内筋管生成過程の観察を行ったが、ホストマウスの骨格筋の自家蛍光が予想以上に強かったため、予定していた実態蛍光顕微鏡での確認が困難となり、その後に予定していた神経放電パターンの影響を評価する実験や生理機能実験に進むことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
eGFPマウスから単離したサテライト細胞を移植したホストマウスのeGFP信号をeGFP抗体を用いることで増強し、実態蛍光顕微鏡での確認を可能にした上で、神経放電パターンの影響を評価する実験や生理機能実験を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
来年度に実験の一部を繰り越したため。
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