研究課題/領域番号 |
18K10800
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研究機関 | 大阪河崎リハビリテーション大学 |
研究代表者 |
中村 美砂 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 教授 (70285386)
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研究分担者 |
今岡 真和 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 講師 (40780961) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 認知機能 / ロコモティブシンドローム / 身体活動 / 地域在住高齢者 |
研究実績の概要 |
前年度の結果より、地域在住高齢者の認知機能低下を予防するおよその運動量が決定したため、介入研究による実証を試みた。アンケート調査により、地域在住高齢者の中で本研究に協力可能な人の選抜まではできたが、コロナ渦による対面調査ができず来年度に延長する予定である。 本研究内容に関連して、緊急事態宣言による外出自粛などの生活様式の変化が地域高齢者にどのような変化をもたらしたのかを、郵送によるアンケート調査を行った。その結果、1回目の緊急事態宣言期間(2020年4-5月)後の約2ヶ月後(2020年7月)の125名を対象とした解析結果では、2019年8月の調査結果と比較して抑うつ度、日常生活活動、認知機能、体の痛みへの変化は見られなかったが、ロコモティブシンドローム評価のためのロコモ25の総合点は有意に上昇し、その中でも特に転倒不安と将来の歩行困難への不安が有意に上昇していた。自粛生活による運動不足と社会との隔離により、このような不安感が強くなっていることが考えられた。転倒恐怖感の増加と認知機能低下およびフレイル(虚弱)とは強い関係のあることが報告されていることより、日本のコロナ対策は、EU諸国のロックダウンほどの強い社会的制限はないものの、自粛生活は健康な高齢者のフレイル人口や認知症人口を増加させる恐れのあることが予測された。今後もコロナ渦の間は、このような調査を随時行い、身体活動の制限と認知機能の関係に注目した解析を継続する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ渦における緊急事態宣言の発令や感染予防の観点から、測定会の開催や研究対象である地域在住高齢者との対面が困難で測定・介入研究ができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の結果より、地域在住高齢者の認知機能低下を予防するおよその運動量が決定したため、決定活動量を換算した歩数を対象者に提示し、活動量計を装着の上3ヶ月間の介入研究を行う。この3ヶ月間の前後で認知機能を測定し、提示した歩数と認知機能の推移との関係を明らかにすることで、最初の目標である認知機能低下のための運動量の決定にロコモ25を指標とすることが有益であるか否かの実証を行う予定である。 また付随して、コロナ渦における生活様式の変化が地域高齢者に与える影響についてもアンケート調査を随時行い、明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ渦により介入研究が実施できなかったため、次年度は介入研究の際に人件費・謝金に約40万円を、論文のオープンアクセス費として20万円を予定している。
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