研究課題
本研究は，前回の採択課題である「咳嗽能力判定システムの開発」で採用した声帯部分の抵抗を電気回路の可変抵抗で表したオリジナルの咳嗽モデルを用い，流量波形をシミュレーションする研究を臨床応用することである．今回，高齢者，呼吸器疾患患者および胸腹部周術期患者の咳嗽時流量波形を測定し，シミュレーションモデルの応用について検討した．高齢者に関しては，円背姿勢を呈することが多く咳嗽に影響することが考えられるため，円背の評価を追加した．また純粋な円背の影響も検討するために模擬的円背姿勢が咳嗽能力に与える影響についても検討した．その結果，模擬的円背でも実際の高齢者の円背でも，円背が重度になると胸郭のコンプライアンスを低下させ，肺活量，呼吸筋力も低下し，咳嗽力を低下させることが明らかになった．模擬的円背については和文にて，高齢者の円背については英文にて報告した．胸腹部周術期患者については，声帯麻痺があると呼気上昇時間は増加することを学会で報告した．術後経過とともに呼気上昇時間は短くなる傾向にあり，その結果を研究課題であるシミュレーションモデルにも反映させるように検討している．また，食道癌患者のデータ収集も進めており，ほぼ同様の傾向が得られている．令和2～3年度はコロナ禍のため予定していたデータ収集が十分に出来なかったが，最近になって徐々に測定可能となってきた．いずれにしても現時点ではデータ収集が十分ではないため，もうしばらくデータ収集した上で，シミュレーションモデルに反映させる予定である．
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
巻: 30 ページ: 109～114
10.15032/jsrcr.30.1_109
巻: 30 ページ: 115～120
10.15032/jsrcr.30.1_115
Physiotherapy Theory and Practice
巻: Online ahead of print. ページ: 1～8
10.1080/09593985.2021.1989731
Advances in Aging Research
巻: 10 ページ: 71～77
10.4236/aar.2021.104004
Burns
巻: 47 ページ: 198～205
10.1016/j.burns.2020.06.034
