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2020 年度 実績報告書

脊髄損傷に対する運動療法のメカニズム研究:筋の収縮弛緩による脊髄再生の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 18K10804
研究機関川崎医科大学

研究代表者

宮本 修  川崎医科大学, 医学部, 教授 (00253287)

研究分担者 丸山 恵美  川崎医科大学, 医学部, 助教 (30792072)
氷見 直之  川崎医科大学, 医学部, 講師 (70412161)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード脊髄損傷 / 骨格筋収縮 / 電気刺激 / 皮質脊髄路再生 / BDNF / TrkB / フルオロゴールド / ANA-12
研究実績の概要

令和1年度までの研究で以下の点を明らかにした。
1.脊髄損傷モデルラット(SCI)の下腿骨格筋を損傷直後から電気刺激(ES)することによって、脊髄組織の保護と軸索再生の促進及び運動機能の回復が起こること
2.ESによって骨格筋が収縮することで、筋細胞及び脊髄ニューロンにおけるBDNF産生が亢進すること
3.脊髄後根切断によって、ESによるBDNF産生亢進の効果が消失すること
令和2年度はESによる軸索再生及び運動機能回復にBDNFが関与することを証明するために、BDNF受容体であるTrkBに対するブロッカー(ANA-12)投与と、トレーサー実験を行った。ラット胸髄T9レベルを損傷したSCIのみ群(SCI)、電気刺激群とANA-12投与群(SCI+ES+ANA-12)、コントロール群(SCI+ES+vehicle)に分けた。脊損6週間、経時的に運動機能をBBBスコアで評価した後、坐骨神経に逆行性トレーサーであるフルオロゴールドを注入して1週間後に脊髄の組織切片を作成した。腰髄のニューロンを逆行性トレーサーであるフルオロゴールドと、前シナプスのマーカーのシナプトフィジンで二重染色し、両方とも陽性となったニューロン数をカウントした。さらに、脊髄の矢状断切片をセロトニン免疫染色して皮質脊髄路の軸索を定量化した。ANA-12投与群ではESによる運動機能回復効果が消失した。また、ESによって脊損に伴うフルオロゴールド/シナプトフィジン陽性細胞の減少は抑制されるが、ANA-12投与群ではESによる抑制効果が見られなかった。さらに、セロトニン陽性軸索もANA-12投与によってES群よりも有意に減少した。以上の結果から、脊損後のESによる皮質脊髄路再生と運動機能改善効果はBDNF-TrkB経路が関与していることが考察された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The protective effect and mechanism of COA-Cl in acute phase after spinal cord injury2021

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto I, Himi N, Hayashi N, Okabe N, Nakamura-Maruyama E, Tsukamoto I, Hasegawa T, Miyamoto O.
    • 雑誌名

      Neuroscience Research

      巻: - ページ: in press

    • DOI

      10.1016/j.neures.2020.10.003.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 新規核酸アナログCOA-Clによる脊髄損傷後の血管新生および機能回復効果2020

    • 著者名/発表者名
      坂本一晴、氷見直之、中村ー丸山恵美、萩原喜美子、林範人、長谷川徹、宮本修
    • 雑誌名

      川崎医学会誌

      巻: 46 ページ: 65-72

    • 査読あり
  • [学会発表] 脊髄損傷後の下腿骨格筋電気刺激による運動機能改善と脊髄求心路の関与2020

    • 著者名/発表者名
      林範人、氷見直之、長谷川徹、宮本修
    • 学会等名
      第11回ニューロリハビリテーション学会学術集会
  • [備考] 川崎医科大学・生理学2教室

    • URL

      http://www.kawasaki-m.ac.jp/physiology/

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公開日: 2021-12-27  

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