研究課題/領域番号 |
18K10811
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中山 雅雄 筑波大学, 体育系, 教授 (70217941)
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研究分担者 |
平嶋 裕輔 筑波大学, 体育系, 特任助教 (60825074)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | シュート能力 / ロジスティック回帰分析 / FIFAワールドカップロシア大会 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、シュートの結果(ゴールorノーゴール)に影響を及ぼす要因を明らかにし、ゴール難易度を定量化する回帰式を構築、これら2つの課題を達成し現場に有用な新たなシュート能力評価指標を開発することである。計画初年度の本年は、まず、本研究で最も重要な部分である、記述的ゲームパフォーマンス分析によってどのような変数をデータ化するか、分析項目の設定を行った。その後、実際に記述的ゲームパフォーマンス分析によってゲームパフォーマンスをデータ化した。 計画2年目の本年は、収集されたデータを用い、ロジスティック回帰分析による統計解析を行った。その結果、①シュートコース守備者の有無、②セットプレーor オープンプレー、③密着した守備者の有無、④前方相手人数、⑤シュート者がボールを受けた場所からゴールまでの距離の5要因がシュートの結果に影響を及ぼすことが明らかとなった。更に、これら5要因を用いてシュート失敗確率を予測する回帰式を構築した。これにより、シューターがボールを受けた際の周辺状況をデータ化することで、シュートを決める難易度を定量化することが可能となった。以上の結果は、World Congress of Science and Football 、Melbourne 2019、日本体育学会第70回大会で発表した。 さらに発展として、平嶋・中山ほか(2019)同様、2018FIFAワールドカップに出場したゴールキーパーのシュートストップ能力を数値化し、シュートの結果に影響を及ぼすと考えられる要因に追加した。そして再度、13項目とシュートの成否をデータとしロジスティック回帰分析による統計を行った。しかし結果は変わらず、前述した5要因がシュートの結果に影響を及ぼすと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた,前年度に予定していた構築された回帰式の外的妥当性および定量化されたシュート決定確率の客観性を検証するための研究の実施と,国内外での学会発表を行うことができた。しかし,ビッグデータの分析に使用する予定であったデータの購入が不調になり,研究の進捗に遅れが出た。
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今後の研究の推進方策 |
年度当初にビッグデータを購入し,さらにデータを蓄積することによって回帰式の精度を上げ,現場での活用を考慮し,より簡易にシュートの難度を測定できるように変数の厳選を試みたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度において,次年度に予定していた既存のビッグデータを用いた統計解析のためのデータとしてデータスタジアム株式会社から購入する予定であったが,本研究で必要となるタイプのデータの提供が困難であるとのことから,新たなデータ会社を探す必要が生じた。現時点ではOPTA社で対応可能であるとの返事をもらっており,次年度早々に購入するための調整を行なっている。また,今年度の人件費については,このデータ処理が主な予定であったため当初予定した人件費の支出が必要なくなった。
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