研究実績の概要 |
セリン/ スレオニンキナーゼの一つである分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ (Mitogen-activated Protein Kinase, MAPK) は、外界からの様々な刺激により活性化(リン酸化)され、さらにその下流の基質を順次リン酸化することにより、細胞の機能発現を調節している。MAPK ファミリーには ERK1/2, JNK, p38MAPK などが含まれ、骨格筋においても、近年、MAPKファミリーに関する研究論文が数多く報告されており、その重要性が注目されている。
我々の研究室では、ERK1/2に関する平成30までの研究成果を論文としてまとめ、海外の英文専門誌である Pflugers Archives-European Journal of Physiology に投稿し、掲載が受理された。また、平成30年度は、p38MAPK が骨格筋の組織化学的・生化学的特性にどのように作用しているかを明らかにすることを目的に、いくつかの実験を行った。特に、性成熟期の下肢骨格筋におけるリン酸化p38MAPKは足底筋や腓腹筋表層部で発現量が多くみられること、さらに熱ストレスに対して発現量の増加がみられるなど、興味深いデータが得られた。
さらに、熱ストレスに対する熱ストレスタンパク質 (Heat shock protein, HSP) の骨格筋内の応答についての研究成果をまとめ、現在、海外の英文専門誌である Journal of Histochemistry and Cytochemistry に投稿中である。
|