研究課題/領域番号 |
18K10817
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
松永 智 宮崎大学, 教育学部, 教授 (70221588)
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研究分担者 |
和田 正信 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (80220961)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 一酸化窒素供給体 / 伸張性収縮 / 筋小胞体機能 / 筋疲労 |
研究実績の概要 |
一酸化窒素供与体は、分解されて一酸化窒素を放出する物質で、これの付与が細胞内Ca2+の感受性を増加させることが分かってきている。一酸化窒素供与体の摂取により、「伸張性収縮後の筋機能低下を抑止する」、あるいは「低下したとしてもその低下の割合は摂取しなかったものより小さい」 という仮説を立て、あらかじめ一定期間経口摂取させた一酸化窒素供給体が、伸張性収縮による筋収縮力および細胞内Ca2+制御能力の機能の低下抑制に関与するか否かを検討した。 9週齢の雄性ラット24匹を伸張性収縮前5日間、水溶化させたS‐ニトロソグルタチオン(SNOG)を経口摂取させ(1 mg/kg/day)、伸張性収縮(ECC)を200回負荷した。筋収縮終了3日後に前脛骨筋を摘出し分析に供した。摘出した前脛骨筋はすぐに張力計につなぎ、生理食塩水(37℃)中で、筋収縮力を測定した。その後、前脛骨筋は酵素活性測定用とタンパク質解析用に分割し測定までの間、-80℃冷凍庫にて保管した。引き続き、採血を行い、血中一酸化濃度を測定した。5日間のSNOG摂取による血中の一酸化窒素濃度については、非摂取群と比較して変化は認められなかった。SNOG摂取の筋収縮力において、ECC負荷脚(収縮群)は対照脚(対照群)と比較して明らかな高値を示した(0~100Hzにおける主効果)。ECC負荷後の筋小胞体Ca2+-ATPase活性では、SNOG摂取群は非摂取群と比較して、顕著な高値を示した。 細胞内Ca2+制御能力に関与するタンパク質の解析を行うために、SDSポリアクリルアミド法による電気泳動法にてタンパク質を分離した。引き続き免疫ブロッティングを行い、筋小胞体Ca2+放出に関与するジャンクトフィリンの量的分析を行った。その結果、ジャンクトフィリン量は、SNOG摂取群は非摂取群と比較して、顕著な高値を示した(主効果)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
あらかじめ一定期間経口摂取させた一酸化窒素供給体が、伸張性収縮による筋収縮力および細胞内Ca2+制御能力の機能の低下抑制に関与するか否かについて検討を行った。9週齢の雄性ラットを伸張性収縮前5日間、水溶化させたS‐ニトロソグルタチオンを経口摂取させ、伸張性収縮を200回負荷し、その後に前脛骨筋を摘出し、筋収縮力、血中一酸化窒素濃度、及び筋小胞体Ca2+-ATPase活性の測定と細胞内Ca2+制御に関与するタンパク質の一つであるジャンクトフィリンの量的分析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
摘出し、冷凍保存してある筋サンプルを用い、S‐ニトロソグルタチオン経口摂取による伸張性収縮後の筋機能低下の抑制機序について、SDSポリアクリルアミド法による電気泳動と、引き続き行う免疫ブロッティングにより、ジャンクトフィリン以外の筋細胞内のCa2+調節タンパク質の量と機能的修飾に関する解析を重点的に行う予定である。
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