• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

一酸化窒素供給体の経口摂取が伸張性収縮による筋小胞体機能の減退を抑制する

研究課題

研究課題/領域番号 18K10817
研究機関宮崎大学

研究代表者

松永 智  宮崎大学, 教育学部, 教授 (70221588)

研究分担者 和田 正信  広島大学, 総合科学研究科, 教授 (80220961)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード一酸化窒素供給体 / 伸張性収縮 / 筋小胞体機能 / 筋疲労
研究実績の概要

一酸化窒素供与体は、分解されて一酸化窒素を放出する物質で、これの付与が細胞内Ca2+の感受性を増加させることが分かってきている。一酸化窒素供与体の摂取により、「伸張性収縮後の筋機能低下を抑止する」、あるいは「低下したとしてもその低下の割合は摂取しなかったものより小さい」 という仮説を立て、あらかじめ一定期間経口摂取させた一酸化窒素供給体が、伸張性収縮による筋収縮力および細胞内Ca2+制御能力の機能の低下抑制に関与するか否かを検討した。
9週齢の雄性ラット24匹を伸張性収縮前5日間、水溶化させたS‐ニトロソグルタチオン(SNOG)を経口摂取させ(1 mg/kg/day)、伸張性収縮(ECC)を200回負荷した。筋収縮終了3日後に前脛骨筋を摘出し分析に供した。5日間のSNOG摂取の筋収縮力において、ECC負荷群は対照群と比較して明らかな高値を示した。ECC負荷後の筋小胞体Ca2+-ATPase活性では、SNOG摂取群は非摂取群と比較して、顕著な高値を示した。
細胞内Ca2+制御能力に関与するタンパク質の解析を行うために、SDSポリアクリルアミド法による電気泳動法にてタンパク質を分離した。引き続き免疫ブロッティングを行い、筋小胞体Ca2+放出に関与するタンパク質量的分析を行った。その結果、ジャンクトフィリン量は、SNOG摂取群は非摂取群と比較して、顕著な高値を示した(主効果)。リアノジンレセプター量はECCにより有意に減少したが、5日間のSNOG摂取によりその減少を大きく減じた(緩和した)。現在、その他の細胞内Ca2+制御に関連するタンパク質群の解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

あらかじめ一定期間経口摂取させた一酸化窒素供給体が、伸張性収縮による筋収縮力および細胞内Ca2+制御能力の機能の低下抑制に関与するか否かについて検討を行った。9週齢の雄性ラットを伸張性収縮前5日間、水溶化させたS‐ニトロソグルタチオンを経口摂取させ、伸張性収縮を200回負荷し、その後に前脛骨筋を摘出し、筋収縮力、血中一酸化窒素濃度、及び筋小胞体Ca2+-ATPase活性の測定と細胞内Ca2+制御に関与するタンパク質のであるジャンクトフィリンとリアノジンレセプターの量的解析を終えたところであるが、その他の細胞内Ca2+制御タンパク質の分析を行っている。

今後の研究の推進方策

摘出し、冷凍保存してある筋サンプルを用い、S‐ニトロソグルタチオン経口摂取による伸張性収縮後の筋機能低下の抑制機序について、SDSポリアクリルアミド法による電気泳動と、引き続き行う免疫ブロッティングにより、ジャンクトフィリン、リアノジンレセプター以外の筋細胞内のCa2+調節タンパク質の量と機能的修飾に関する解析を引き続き行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 一酸化窒素供給体の摂取が伸張性収縮による筋小胞体機能の減退を抑制する2019

    • 著者名/発表者名
      松永 智、森﨑由理江、塩瀬圭佑、松永須美子、和田正信
    • 学会等名
      日本体力医学会第1回南九州地方大会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi