本研究では、褐色脂肪組織(BAT)から分泌されるブラウンアディポカインに焦点をあて、運動トレーニング(TR)や肥満による影響を検討した。HB2褐色脂肪細胞から分泌されるガレクチン3 (Lgals3)やLgals3 結合タンパク質(Lgals3bp)の遺伝子発現が、肥満マウスのBATで上昇し、TRはそれらの発現増加を有意に減弱させた。一方、HB2細胞にLgals3を過剰発現させると脂肪合成が高まり、Lgals3bpを過剰発現させるとミトコンドリア量が減少した。TRは肥満によるブラウンアディポカインの発現異常を減弱し、Lgals3とLgals3bpは褐色脂肪細胞の分化に関わることが推測された。
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