本研究の目的は,筋力トレーニングによる動脈コンプライアンス低下のメカニズムを動脈粘性機能の適応の観点から明らかにすることであった。普段運動などを行っていない若年男性16名および普段から筋力トレーニングに従事している若年男性12名を対象として,動脈粘性および動脈コンプライアンスを比較検討した。結果として,筋トレ実施者は動脈コンプライアンスが低く,動脈粘性は高かった。これらの結果は,筋力トレーニングによって引き起こされる動脈硬化のメカニズムとして,動脈粘性として表される散逸エネルギーの増大が寄与していると理解できる。
|