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2019 年度 実施状況報告書

日本伝統スポーツの文化資源化に関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K10833
研究機関広島大学

研究代表者

小木曽 航平  広島大学, 教育学研究科, 准教授 (00711235)

研究分担者 中嶋 哲也  茨城大学, 教育学部, 准教授 (30613921)
田邊 元  富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 講師 (40758588)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード長崎ペーロン / 櫂伝馬競漕 / 闘牛 / 伝統スポーツ
研究実績の概要

2年目に当たる当該年度においては,1年目と同様の地域(沖縄県,秋田県等)の調査を引き続き実施すると共に,長崎県と広島県を新たな調査対象地域に追加し,検討対象にする伝統スポーツの種類を広げた。結果として,これまでの綱引き,闘牛,武術に加え,舟漕ぎ競争が加わり,より多角的な視点から伝統スポーツの文化資源化過程を分析することが可能となった。
長崎県の「ペーロン」及び広島県の「櫂伝馬」のどちらにおいても,担い手を地元の住民だけでなく,外部の人間に拡大しようとする努力を行っていることがそれぞれのフィールドワークから明らかになった。また,地元住民の参加についてもかつてと異なるのは女性や子供が参加することへの積極的な働きかけであった。これまでの成人男性中心的な伝統スポーツとは異なる方向性が目指され始めていることが判明した。従来,地域の祭礼行事とともに行われることが多かった伝統スポーツがその担い手を地域や性別,年齢を越えて幅広く求めていくような傾向は日本各地で確認される現象で,この変化の具体的な影響を今後は細かく検討していく必要がある。
一方,かねてより研究の進んでいた闘牛(特に岩手県の「平庭闘牛」)については,その研究成果を「思考を開き,生活世界を組み直すことと「伝統スポーツ」をすることの可能性:岩手県久慈市山形町における「平庭闘牛」の場合」と題してまとめ,『体育学研究』に投稿した。この論文内で展開した理論的展望を元に,今後の調査を行っていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

調査については概ね順調に進んでいるが,調査結果の整理と分析,またそこからの理論考察にやや遅れが認められる。今後は,理論的考察を深め,論文化にむけた議論を共同研究者とともに活発化して行きたい。

今後の研究の推進方策

今年度についてはコロナウイルス感染症の影響により,現地調査がどれほど可能か不透明である。事態が好転すれば,夏以降,沖縄県,岩手県,秋田県,長崎県などの調査候補地をできるだけ訪問し,必要な聞き取りや資料収集を行う予定である。もしも,事態がそれほど好転しない場合には,オンライン通信を利用した聞き取りやすでに収集した資料の分析によって課題の遂行に臨みたい。

次年度使用額が生じた理由

2020年2月以降に深刻化したコロナウイルス感染症の影響により,2020年3月に予定していた調査と学会発表が中止を余儀なくされたため,一部を次年度に繰り越さざるを得なくなった。
繰越した予算については,次年度の旅費(国内調査)と資料購入費に当てる。万が一コロナウイルスの影響で現地調査が実施できない場合には,オンラインでのインタビューに必要な機材の整備として当てることも検討している。

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公開日: 2021-01-27  

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