研究課題/領域番号 |
18K10833
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小木曽 航平 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (00711235)
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研究分担者 |
中嶋 哲也 茨城大学, 教育学部, 准教授 (30613921)
田邊 元 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 講師 (40758588)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 伝統スポーツ / 櫂伝馬競漕 / 闘牛 / 沖縄空手 / ペーロン / 学校体育 / 新型コロナウイルス |
研究実績の概要 |
最終年度にあたる今年度は、新型コロナウイルス感染症の流行により、フィールドワークを予定していた伝統スポーツの大会のほとんど全てが延期もしくは中止となった。国内における第一波と第二波の間にはかろうじて開催される大会もあったが、無観客や他県からの来場が制限されるものも多く、また、研究実施者である私たち自身も他県への移動を自粛・制限されたため、必要な調査が全く行えなかった。こうした事情を受けて、本研究は延長を申請した。 以下に報告するのは、こうした状況下にあってビデオ通話(ZOOM)やSNS等を用いて調査した成果である。まず、岩手県の闘牛大会は年4回のうち3回の大会を中止したが、秋に行われる「もみじ」場所が開催された。沖縄県の綱引き大会・沖縄空手等については特に後者について、ビデオ通話によるインタビューを実施し、沖縄県における空手と学校体育の関係について、その独自性を分析した。最後に前年度より実施していた長崎県のペーロンと広島県の櫂伝馬についてはそれぞれ大会が中止されており、関係者によるインタビュー等も実施できなかった。 以上のように、当該年度はそれまでの実績を踏まえさらなる追加調査を実施してく予定であったところ、新型コロナウイルス感染症の影響で調査を断念せざるを得なかった。延長した今年は、それぞれの伝統スポーツ大会がwithコロナの開催方法を模索しながら、実施に向けて体制を整えている。計画段階では予定していなかった要素だが、伝統スポーツがそれぞれの地域においてどんな資源性を有するのかを明らかにする上で重要な局面である。今年は、このコロナ下における伝統スポーツの現状を把握することを通じて、それらの伝統スポーツが地域にとってどんな文化・経済的価値があるのかを検討していくつもりである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実績の概要で述べた通り、新型コロナウイルス感染症の影響により、本研究の方法論の中心であるフィールドワークが実施できず、進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は新型コロナウイルス感染症の再流行等を考慮に入れながら、現地調査とビデオ通話等を用いて遠隔調査を併用するハイブリッド型のフィールドワークを採用していく。すでに長崎県のペーロンと広島県の櫂伝馬については情報提供者と連絡を取り、現地での調査もしくはビデオ電話によるインタビューを予定している。また、秋田県の竿燈祭りについては今のところ実施される予定なので、現地調査を実施する予定である。沖縄の空手や綱引きについては今後の沖縄県の感染者状況を見極めながら、現地調査の可能性を探り、難しいようであればビデオ通話等による関係者へのインタビューを実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、現地調査が実施できなかったため、多くの金額を翌年度に繰り越すことになった。繰り越した助成金は、今年の調査に使用する。
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