本研究の目的は終末糖化産物(Advanced Glycation End-Products; AGEs)に対して運動が低減効果を示すかどうかについて検証することである。皮膚AGEs値は2~3ヶ月前の状態を表す指標であり、鋭敏な反応を示すものではないため短期的な変動を確認する指標としては向いていないものの、習慣的な食事や運動による身体の状態を把握し、長期的なコンディショニングの生理学的指標として簡便で日常的に有用できる可能性が期待できる。習慣的に身体活動量が多い運動部に所属する大学生女子アスリートを対象として、オフ期、トレーニング期、試合期等のシーズン毎の調査を実施することが当初の計画であったが、新型コロナウイルス感染症拡大によって研究実施が困難になった時期が続いたため、研究計画を変更した。シーズン毎の調査は、競技種目によって試合シーズン等が異なるため、より長期の研究期間を有する。これらのことから、シーズンに拘らず3ヶ月毎に調査を実施して検討することにした。感染状況等により計画が大幅に遅れたが、大学生女子アスリートを対象として皮膚AGEs値やストレスマーカーとされる唾液コルチゾールの測定等を1回目は2022年11月、2回目は2023年2月に実施した。今後も継続的に測定を継続し、測定毎に実施している食物摂取頻度調査等の結果をあわせて分析を進めていく予定である。これらの結果は、今後の栄養・食事指導等の介入研究にも応用できるよう次の研究計画へ活かしていきたい。
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