研究課題/領域番号 |
18K10855
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
高橋 信二 東北学院大学, 教養学部, 教授 (50375482)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 運動タイプ / 認知機能 / 前頭前野 / 級内相関 |
研究実績の概要 |
本研究では,高次の認知機能である実行機能と強く関連する脳部位・前頭前野の活動を機能的近赤外線分光法(functional near-infrared spectroscopy: fNIRS)により測定し,どのようなタイプの一過性運動が実行機能の向上と脳の活性化に有効かを明らかにする.具体的には,一過性運動のタイプを1ジョギング,2バドミントン,3コントロール(座位でのスマートフォンの操作)と設定し,各タイプの運動前後で実行機能(ストループ課題)と前頭前野の活性度を分析する.当初の予定では,2020年度までに全ての実験(96実験)を行うことを予定していた.しかし,2018年度に購入予定だったfNIRS(OEG-16,スペクトラテック社製)の購入が大きく遅れてしまったこと(2020年1月に購入・設置),2019年度末以降に予定していた実験の大部分がCOVID-19の影響で延期せざるを得なくなったため,当初の計画よりも進度が遅れていた.一方,2018年度から準備していたストループ課題のプログラムまたストループ課題の成績とfNIRSのデータを同期する方法などが予想よりも効率的に機能していることなど研究計画を促進する条件も準備できたため,2020年度の目標を研究全体の80%以上の実験を行うことと修正していた.2021年5月時点で全実験の約80%(77実験)が完了し,おおよそ順調に計画を進めることができ,これまでの実験データを2021年夏に開催される日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会で報告予定である.2021年度は早急に全実験を完了させ,年度内に国際学術誌へ研究論文を投稿する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始の2018年から予算上の問題,必要機器の在庫不足の問題などにより実験によるデータ収集が遅れている状況である.加えて,2019年度末のCOVID-19の影響により,予定していた実験の一部を中断せざるを得ず,計画通り研究を進めることが困難な状況になっていた.一方,実験プロトコルの工夫,データ分析の工夫を進められたことにより,計画を立案した時点よりも効率的に実験を進められる状況を準備することができた.結果として,若干の遅れはあるものの,当初の予定通りに研究を遂行することができる状態になっている.
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今後の研究の推進方策 |
2021年5月時点,効率的に研究を進めることができ,2019・2020年度の遅れを取り戻すことができている.今後は引き続き現在の進度で研究を継続していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により予定していた実験の一部が遅延し,それに伴い実験に必要な消耗品の購入を控えることになった.結果として,実験に係る人件費・謝金および物品費(消耗品)の未使用額が生じた.
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