研究課題/領域番号 |
18K10862
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
荒井 弘和 法政大学, 文学部, 教授 (30419460)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アスリートセンタード / アクセプタンス&コミットメント・セラピー / 道徳教育 / 大学スポーツ協会 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、大学生アスリートが持っている価値と、その機能を解明することである。そして、自らの価値の明確化を支援するプログラムを開発することを目的としている。 はじめに、スポーツ心理学のみならず、心理学、哲学、武道学、法学などの文献を概観し、価値と呼ばれていないとしても、価値は多くの領域で扱われてきていることが確認された。そして、現代スポーツは、多くの価値の中で揺れ動いていることが明らかとなった。 そのうえで、大学生アスリートが考える価値について、300名を超える学生アスリートを対象に質問紙調査を実施し、「感謝」「楽しむこと」「スポーツマンシップ」「助け合うこと」「限界に挑戦すること」「国を背負うこと」「一生懸命」「スポーツマンシップと勝利の両立」「チェレンジャー精神」「前向きであること」などの価値が得られている。 さらに、大学生アスリート14人(男性11名・女性3名)を対象として、価値について考える・対話することの効果を予備的に検討した。その結果、価値を報告することの難易度は高くないと考えられた。また、自らの体験と価値との関連に対する気づきや、他者の価値に触れることの機能、とくに自らと異なる特性を持つ競技に取り組むアスリートの価値に触れることの機能について示唆を得ることもできた。ワークの効果を高めるための工夫(グループの人数やスポーツ意外に関する価値の扱い方など)に関するデータも収集することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、1)現代のスポーツは、どのような価値と関連しているのか? 2)大学生アスリートは、どのような価値を持っているのか? 3)価値はどのような機能を持っていて、どのようなメカニズムで機能するのか? 4)大学生アスリートが持っている価値同士は、どのように関係し合っているのか? 5)価値について考える・対話することは、どのような効果をもたらすのか?という5つの段階から構成される。1)、2)、5)は実施済みであることから、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は、5)価値について考える・対話することは、どのような効果をもたらすのか?の成果を参照しながら、3)価値はどのような機能を持っていて、どのようなメカニズムで機能するのか?4)大学生アスリートが持っている価値同士は、どのように関係し合っているのか?という2つの課題を明らかにするための研究を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究課題の3)価値はどのような機能を持っていて、どのようなメカニズムで機能するのか? および、4)大学生アスリートが持っている価値同士は、どのように関係し合っているのか? に先んじて、令和元年度は、5)価値について考える・対話することは、どのような効果をもたらすのか? を実施したためである。令和2年度は、未実施の3)および4)を行い、「次年度使用額」として計上されている額を含めて執行する予定である。
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