研究課題
基盤研究(C)
大規模スポーツイベントの社会的影響に着目する本研究の目的は、2020年の東京オリンピックを研究対象として、その開催地に与える社会的影響を学術的に開発した測定尺度を用いて、科学的検討を試みることであった。大会直前と大会2カ月後の二時点においてインターネット調査を行い、全国各地に在住の1,561名から有効回答を得た。スポーツイベントの社会効果に関するポジティブ要因、ネガティブ要因ともに大会前後比較で差異が見られたが、ネガティブな評価が大会後に大幅に軽減されたことが確認された。
スポーツマネジメント
オリンピックのような大規模スポーツイベントは世界中の人々に多大な楽しみを与える一方で、開催地には大きな負担となるケースが少なくない。このようなイベントが社会に与える影響についての科学的根拠は未だ十分ではない。本研究は新型ウイルス感染拡大によるパンデミックの最中でのオリンピック大会という特異な例を扱い、その大会が開催地に与える社会的な影響を解明することを試みた。大会前の状況からは好影響が期待されず、ネガティブな影響への懸念が大きいことは容易に想像されたが、大会2か月後には好影響が多少ではあるが再評価され、開催前に感じられていた強いマイナス評価が大幅に見直されたことが確認された。