研究課題/領域番号 |
18K10865
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
藤谷 博人 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (50278008)
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研究分担者 |
小倉 裕司 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90509952) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 骨格筋損傷 / 微弱電流 / 高気圧酸素 / 筋力 |
研究実績の概要 |
スポーツ現場では、骨格筋損傷に対して微弱電流、あるいは高気圧酸素を使用することにより治癒促進効果のあることが知られている。我々はこれまでの基礎研究にて、マウス骨格筋損傷モデルを使用しこれらの修復促進効果について形態学的に明らかにした(基盤C;21500639、基盤C;24500802、基盤C;15K01632)。 今回の研究の目的は、動物実験モデルを用いて微弱電流および高気圧酸素による損傷骨格筋の筋力の回復、つまり骨格筋の機能的な回復促進効果があるかを検討することである。 2022年度は、本研究用に確立した動物実験モデル(マウスの両側前肢の浅指屈筋、上腕二頭筋、広背筋の3ヵ所にCardiotoxinを注射した前肢骨格筋損傷モデル)を用いて、微弱電流(10μA、0.3Hz、200msec)による経時的な筋力の推移を計測した。筋力の評価は、OECD方式ラット・マウス用筋力測定装置(MK-380CM/R)のデジタルフォースゲージにて測定した。その結果、微弱電流を加えた群の方が何もしない群よりも、筋力の回復は処置後2週以降で一様に促進することが明らかとなった。微弱電流により筋力が回復促進することは新しい知見であり、きわめて価値の高い実験結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前肢骨格筋損傷動物モデルは確立され、また微弱電流刺激の測定条件も大幅に安定した結果、この1年で微弱電流に関する実験は終了し筋力の回復促進の良好なデータが示された。当初のコロナ禍での不安定な実験環境による実験の遅れはかなり改善されたが、まだ遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通り、次に高気圧酸素の介入実験を行う。小動物用高気圧チャンバーにて高気圧酸素(2.5ATA、100%酸素)環境下で、マウスの損傷骨格筋の筋力の回復促進効果について、6週間の連続した筋力測定を行い、両前肢の筋力の回復促進効果を評価する。そして最終的には、微弱電流、高気圧酸素の各条件下での損傷骨格筋の機能的な回復促進効果について比較検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により実験環境が不安定(感染拡大による社会的影響、医師として地域社会へのワクチン接種の臨時業務、等)であり、計画通りの実験遂行が困難であったため次年度使用額が生じた。次年度で実験を完了させる予定である。
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