[1]前脛骨筋へ20μs、120mA、周波数20、60、100Hzで反復電気刺激したときの収縮時筋硬度は周波数が高いほど速く低下し、筋力の代替指標となることを確認した。 [2]20分の反復電気刺激後の収縮-弛緩時筋硬度差は60、100Hzの刺激終了直後に有意に減少し、5分後には回復したことから筋疲労の程度は軽いと評価した。 [3]収縮時筋硬度維持に対する微細突起の突起密度の影響は確認できなかった。 [4]ArduinoによるPWM制御で放射強度が同一で波長が異なる光照射装置を開発した。 [5]収縮時筋硬度を介入刺激なし(NON)と8種類の鍼と光の介入刺激を非相反的に左右の前脛骨筋にランダムに割り当てて測定した。鍼刺激は侵害刺激のPyonex(0.11×0.3mm)、圧刺激にPyonex ZERO(0.2mm×0.3mm)、接触刺激にHapePatch、SEAL、経穴外へのPyonexを用い、単盲検にて測定した。光刺激は放射強度550mA/Sr(If=100A、tp=20ms)のピーク波長960と880nmのLEDをDuty比90%およびshamを二重盲検で実施した。無介入を含む鍼介入と光介入に分け、両要素による反復測定二元配置分散分析と多重比較検定で分析した。鍼(侵害刺激、圧刺激、接触刺激)と光による介入では収縮時筋硬度の減少が有意に抑制され、その効果は経穴部位において有意に高かった。 [6]総指伸筋に対する鍼通電とマッサージの併用順序効果を弛緩時筋硬度及び随意的最大収縮時筋硬度から観察した。鍼通電後にマッサージをした場合は弛緩時および収縮時筋硬度は有意に減少し、マッサージ後に鍼通電をした場合は有意な差が認められなかった。鍼治療とマッサージ治療を併用した場合、鍼治療とマッサージ治療の順番は、前の治療の影響を受け、筋肉の硬さに違いがあった。同時に収縮時筋硬度は意識的に制御できるとはいえず、[1][2][5]の実験における電気刺激による収縮時筋硬度は随意的な収縮の影響を受けていないことが示唆された。
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