研究課題/領域番号 |
18K10870
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
倉持 梨恵子 中京大学, スポーツ科学部, 准教授 (00386658)
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研究分担者 |
甲斐 久実代 日本福祉大学, スポーツ科学部, 助教 (30713680)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 関節可動域 / 自動運動 / 他動運動 / チアリーディング / 股関節 / 開脚ジャンプ / 動作分析 |
研究実績の概要 |
運動器のリハビリテーションにおける関節可動域(Range of Motion、以下ROM)は原則『他動的』に評価される。ところが、他動的なROM(以下他動ROM)が動作時の関節運動の大きさとは一致しないという見解が示されている。その理由として、我々の動作は通常『自動的』であり、円滑に運動を遂行するためには『他動的なROM拡大』に加え、可動範囲を『自動的に制御できる能力』が必要であることが考えられる。ところが、自動的なROM(以下自動ROM)を評価指標としてパフォーマンスとの関連を明らかにした報告は見当たらない。 そこで本研究では、自動ROM評価の重要性を明らかにするために、チアリーディングの開脚ジャンプを検証モデルとして、他動および自動ROMの拡大がパフォーマンスに及ぼす影響を明らかにする。最終的には、リハビリテーションや運動指導で最も基本となるROMの評価や介入に対して『「他動」「自動」による場合分け』という新しい視点をもたらし、効果的な運動介入に対するエビデンスを確立する。 課題解決のために疫学的手法を用いて、横断研究によって他動および自動の股関節ROMなどの評価指標と開脚ジャンプ時の開脚角度との関連を検討する。その結果を踏まえてランダム化比較試験によって開脚角度改善に向けた介入を行い、その効果を明らかにする。 本研究の対象者である競技経験1年以上のチアリーディング選手はパフォーマンス向上の ために日頃から柔軟性を高めるための訓練を実施している。そのため、他動ROMは一般に比べて優れていると考えられ、自動ROMの優劣による開脚角度の違いを明確に説明できる可能性が高い。本年度は大学生ならびに社会人のチアリーディング選手を対象に横断研究を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
横断研究よって予定している研究対象者のうち、半数の被験者の実験を終えている。実験対象者と研究実施者の日程調整を進め、今後予定の被験者についての実験実施、ならびにデータ分析を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究対象者への実験協力の了解は得ているため、実際に対象者の都合(競技大会や練習との兼ね合い)を鑑みて日程調整を進める。8月の大会終了後9月中の比較的時間的余裕のある期間に集中してデータ取得を予定している。 実験終了後は速やかに動作分析データを数値化し、統計分析できるような準備は整えてある。結果の分析を行った後に速やかに学術成果の発表に繋げる。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた横断研究の実施人数が、予定よりも少なかったため、被験者への謝金、ならびに研究補助者への謝金について予定よりも支出が少なかった。その分次年度で実施するために必要な経費として計上する。
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