糖尿病では末梢血管の拡張機能が低下し,運動耐容能低下の一因となるという仮説を検証した.麻酔下の糖尿病モデルラット(ZFDM fa/fa)にX線血管造影と超音波血流測定を用いて,薬理的もしくは筋収縮刺激に対する下肢血管・血流応答を調べた.糖尿病ではpre-capillary動脈の機能が低下しており,筋収縮依存性の血流応答が抑制されていることが示唆された.このとき微小血管拡張に寄与するKCaチャネルは,血流応答に強く関与していた.低強度運動トレーニングは糖尿病で低下する血流応答を改善し,KCaチャネル由来の血管拡張作用を改善していることが示唆された.
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