研究課題/領域番号 |
18K10885
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
森川 真悠子 信州大学, 先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所, 助教(特定雇用) (10596068)
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研究分担者 |
能勢 博 信州大学, 医学部, 特任教授 (40128715)
増木 静江 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (70422699)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 中高年者 / インターバル速歩 / 5-アミノレブリン酸 / 生活習慣病改善 / 体力向上 / エピジェネティック効果 |
研究実績の概要 |
我々は、中高年者において1週間のインターバル速歩+5-アミノレブリン酸摂取が、運動時の仕事効率を上昇させ、日々の速歩運動トレーニング量を亢進させることを明らかにした。これは、5-アミノレブリン酸摂取によって、ミトコンドリア機能が改善することを示唆する。しかし、生活習慣病「患者」を対象に、より長期間(1ヶ月間)の「インターバル速歩」+5-アミノレブリン酸摂取の体力、生活習慣病症状、炎症関連遺伝子のメチル化に及ぼす効果については不明である。そこで、これらを検証することを目的とした。 H30年度:被験者30名を、5-アミノレブリン酸摂取条件(ALA群)とプラセボ条件(CNT群)の2群に15名ずつ無作為に分けた。彼らにインターバル速歩を1ヶ月間実施し、その運動量を記録した。トレーニング前後で、筋力、持久力測定、生活習慣病関連指標や炎症反応に関係する遺伝子であるNFKB2遺伝子のメチル化測定用の血液採取を行った。 さらに、循環調節能に関して、全身の脈波伝播速度と頸動脈コンプライアンスを測定し、血糖調節能に関しては介入前後で6日間に渡って、酵素電極法による血糖連続測定を行った。その後、1ヶ月以上のウォッシュアウト期間をおいた後、群間で摂取物を入れ替えて、再度1ヶ月間実施し、その前後で上記の項目について測定した。途中脱落者を出すことなく、これら問題なく測定を終えた。 H31年度以降:H30年度以降に採取した血液サンプルよりDNAを抽出し、パイロシークエンス法により、介入前後におけるNFKB2遺伝子のメチル化率を測定した。本研究では、NFKB2遺伝子のプロモーター領域における6ヶ所(sites1-6)のメチル化率を平均して解析を行った。その結果、両群ともに、介入前後のメチル化率に有意差な差を認めなかった。今回の結果からは、炎症関連遺伝子のメチル化に及ぼす効果が検出されなかった。
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