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2018 年度 実施状況報告書

「ブラック部活動」の改革に向けた実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K10892
研究機関北翔大学

研究代表者

千葉 直樹  北翔大学, 生涯スポーツ学部, 教授 (20389662)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード「ブラック部活動」 / 外部指導者 / 中学校 / 「部活動活性化事業」 / 教師 / スポーツ
研究実績の概要

平成30年度前半に、部活動関連の先行研究を要約し、部活動の抱える課題を整理した。12月には、北海道体育学会で研究発表を行った。この調査は、北海道A市における公立中学校の教員(有効回答数141名)を対象とした部活動に関する実態調査であった。調査の結果、専門外のスポーツ競技を担当する顧問の比率は、約65%であった。また14%(16名)の教師は、部活動による指導時間が週に22時間以上であり過労死ラインを超える残業をしていた。さらに、部活動以外の残業時間も含めた暫定的な過労死ラインを策定すると、54%(62名)が過労死ラインに達していた。また今後の部活動の方向性について尋ねると、42.9%は「部活動の総合型クラブへの移行」を希望していた。さらに、質問紙の自由記述欄には、数多くの部活動に関する不満が数多く書き込まれていた。
また1月には、民間スポーツクラブからの「部活動活性化事業」を行う、東京都杉並区役所の係長に1時間程度のインタビュー調査を行った。さらに、2月には杉並区に外部指導者を派遣するリーフラスという民間企業の担当者2名にインタビュー調査を行った。この二つの研究の目的は、東京都杉並区公立中学校における部活動活性化事業の設立の趣旨や課題を、行政と民間スポーツクラブの担当者の視点を通して明らかにすることであった。杉並区の部活動活性化事業では、2015年から始まり、杉並区独自の予算で、専門的な指導をできない教員の部活動に特化して、プロの指導者を派遣していた。リーフラスは、当初和田中学校に対して受益者負担型の支援を行ったが、その後、地方自治体主導型として、杉並区への支援を行っていた。部活動活性化事業は第一に生徒に楽しい部活動を体験させ、第二に教員の負担軽減を目的に行われていた。部活動活性化事業の課題は、ソフトテニスなどの指導者を見つけることの難しさにあった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

民間スポーツクラブと連携した外部コーチ派遣事業については予定通り調査することができた。この調査を行うことで、文部科学省の「部活動指導員」の課題、中学校体育連盟の対応など新たに調査するべき課題が明確になった。一方で、当初予定していた大学生ボランティア派遣事業については、勤務校の変更に伴う引っ越し作業などもあり、インタビュー調査をすることができなかった。次年度に改めて調査を行う予定である。また当初予定していた中学校教員を対象としたインタビュー調査も校務増加のために行うことができなかったために、次年度以降に行うことにした。

今後の研究の推進方策

2019年度は、4月にニュージーランドで開催される国際スポーツ社会学会で、東京都杉並区の外部指導者派遣制度の課題について研究発表を行う予定である。この発表を通して、他の国々の研究者からの意見を通して、他国の事例との類似点・相違点を明確にする予定である。6月以降に部活動への大学生ボランティアや総合型スポーツクラブの事例を調査する予定である。また10月以降に中学校教員を対象としたインタビュー調査を行う予定である。2月にニュージーランドを訪問し、学校での部活動の仕組みや民間スポーツクラブによる外部指導者制度について調査する予定である。
今後、これらのインタビュー調査の結果について国内外の学会で発表する予定である。さらに、これまでのインタビュー調査の結果をもとに論文の作成と学会誌への論文投稿を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 北海道A市中学校教員にみる学校部活動への取り組み方と態度2018

    • 著者名/発表者名
      千葉直樹
    • 学会等名
      北海道体育学会 第58回大会

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公開日: 2019-12-27  

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