本年度(令和2年度)の研究目標は、昨年度に引き続き「課題2:シミュレーション環境下における予期的跳躍眼球運動の時系列解析」、および「課題3:「先を見る」ための知覚運動スキル獲得プロセスの解明とトレーニングへの応用」を進めることであった。本年度に実施した研究の成果及び研究機関全体を通じて実施した研究成果は以下の通りである。 課題2:シミュレーション環境下における予期的跳躍眼球運動の時系列解析では、これまでに引き続き、特定のタスク場面を想定したシミュレーション環境の選定を行い、特に急速眼球運動測定装置を導入することで、固視微動中のマイクロサッケード成分についての検討を進めた。特にサッカーのペナルティキック場面を想定した状況下においては、熟練度の差とパフォーマンス、マイクロサッケード成分の違いについて詳細な検討を行い、予期的な跳躍眼球運動に繋がる可能性について議論を行い、その成果の一部は関連研究と共に国際学会などでの発表を行った。 課題3:「先を見る」ための知覚運動スキル獲得プロセスの解明とトレーニングへの応用においては、上記課題2とも連動しながら、特にサッカーの特定スキル獲得について検証を進めた。 さらに課題1の成果として、これまでの剣道の眼球運動計測の研究をとりまとめ、新たな視点から「先を見る」議論を加えて論文としてまとめ、著名な国際誌であるFrontiers in Sports and Active Livingへの投稿を行い、原著論文として採録された。
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