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2020 年度 実施状況報告書

加温によるヒートショックプロテイン発現が睡眠、競技パフォーマンスを改善する可能性

研究課題

研究課題/領域番号 18K10894
研究機関国士舘大学

研究代表者

和田 匡史  国士舘大学, 理工学部, 教授 (00320101)

研究分担者 地神 裕史  国士舘大学, 理工学部, 准教授 (30468970)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード加湿 / 睡眠 / スポーツ / 炭酸泉
研究実績の概要

3年目は前年度までの研究成果をもとに,人工炭酸泉入浴による身体加温が運動負荷後の回復及び睡眠に及ぼす影響を調べた。炭酸泉入浴は,皮膚の紅潮,皮膚の血流の改善,血中のカテコールアミンのレベルや心拍数の低下など,人体に対する炭酸泉への浸漬の影響が報告されており,炭酸泉への浸漬による心拍数の低下は,皮膚で生成され,脊髄を通って脳に伝達されるニューロン情報によって引き起こされる可能性が示されている。入浴によって身体を温めることは,体内にHeat Shock Protein(HSP:ストレスタンパク質)の過剰発現を促進し,細胞の保護や断眠ストレスによる高体温の予防,レム睡眠のリバウンドを抑制するなどの効果があることが示されており,身体加温による影響はストレスタンパク質による身体保護作用の獲得による効果も考えられる。本研究では14名の被検者に対して人工炭酸泉入浴が血中乳酸濃度を有意に低下させる効果を示したが,6名の被検者によって調査された運動後の人工炭酸泉入浴による回復効果を示した先行研究と同様の結果を示した。
高強度運動後の人工炭酸泉入浴と水道水入浴において,心拍数,RPEに有意差は見られなかったが,血中乳酸濃度は入浴後から5分,10分,15分後すべてにおいて炭酸泉入浴を実施した方が有意に低下していた。その後の睡眠における入眠潜時は,炭酸泉入浴の方がより短く,また睡眠効率は炭酸泉入浴の方が高値を示した。このことから毎日のトレーニング後や大会中に炭酸泉入浴をすることは,より早く十分な筋活動を行うことができるようになると考えられた。また睡眠においては,より早く寝付くことができ,中途覚醒の少ない睡眠をとれたことから,トレーニングによる慢性的な身体疲労の回復も促進することが考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の影響により、被験者を伴う実験が制限され、期待するデータの取得ができなかったため。しかし、最低限の研究成果は得られ、投稿論文としてまとめることができた。

今後の研究の推進方策

今年度は最終年であったが、新型コロナウイルス感染症の影響で被検者を予定通り集めることができず、予定していた研究計画を進めることが出いないところがあったため、研究機関の延長を申請した。次年度は被検者を予定通り集めてより正確なデータの取得に努め、研究成果を発表し、本研究課題を完成させる。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症による影響にて実験ができず、被験者への謝金支払いがなかった。伴って具体的な物品購入等もしなかったため、未使用額が発生した。次年度の使用計画では、繰越延長が承認されたことにより、細心の注意をもって再度被検者を活用した実験データを回収し、より細やかな分析の成果を出す計画である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 人工炭酸泉入浴が高強度運動後の身体回復を促進する可能性2021

    • 著者名/発表者名
      和田匡史、兵頭洋樹、地神裕史、土居裕和、山本憲志
    • 雑誌名

      国士舘大学理工学部紀要

      巻: 14 ページ: 159-164

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 上半身の運動が心拍数と目測・歩測に与える影響2021

    • 著者名/発表者名
      古澤弦、地神裕史、町田俊、和田匡史、小崎充、大浦邦彦、三上可菜子、田中宏樹
    • 雑誌名

      国士舘大学理工学部紀要

      巻: 14 ページ: 155-158

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大学生競泳選手のポジティブ感情と心理的競技能力、ストレスとの関係性2021

    • 著者名/発表者名
      栗木明裕、岡村尚昌、田場昭一郎、和田匡史、津田彰
    • 雑誌名

      ヘルスプロモーション理学療法研究

      巻: 10(4) ページ: 173-181

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characteristics of the BDNF Val66Met polymorphism in competitive swimmers and judo athletes2020

    • 著者名/発表者名
      Taishi Asai, Daisuke Abe, Hirokazu Doi, Chikara Tanaka, Kenji Ohishi, Hideki Maeda, Tadashi Wada, Yuusuke Takahashi, Yasukazu Nakahata, Kazuyuki Shinohara
    • 雑誌名

      Acta Med. Nagasaki

      巻: 64 ページ: 23-29

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大学生競泳選手の心理的競技能力と日常・競技ストレッサーにおける性差の検討2020

    • 著者名/発表者名
      栗木明裕、岡村尚昌、田場昭一郎、和田匡史、津田彰
    • 雑誌名

      九州・山口スポーツ医・科学研究会誌

      巻: 32 ページ: 85-90

    • 査読あり
  • [学会発表] 救命胴衣装着時における水上遊具水面下からの離脱に関する研究2020

    • 著者名/発表者名
      田村浩志、竹市勝、和田匡史、地神裕史
    • 学会等名
      日本体力医学会
  • [学会発表] Artificial CO2 -water lower legs bathing affected quiet standing posture2020

    • 著者名/発表者名
      Noriyuki Yamamoto, Fumiko Takenoya, Tadashi Wada, Yukinori Shintaku
    • 学会等名
      25th ECSS
    • 国際学会
  • [学会発表] 心拍数の変化が目測・歩測に与える影響2020

    • 著者名/発表者名
      古澤 弦、地神裕史、和田匡史、小崎充
    • 学会等名
      日本基礎理学療法学会

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公開日: 2021-12-27  

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